宗教抗争などが続くナイジェリアでたくましく生き抜く女性の姿を取材しました。
宗教対立の激化などで、生活の質と安全が急速に低落する中、たくましく生き抜くナイジェリアの女性の姿を取材しました。
宗教抗争などが続くアフリカのナイジェリア。
混迷を深めるその社会では、目を疑う光景が繰り広げられている。
その一方、イスラム色の強い社会でありながら、女性も頑張っている。
産油国であり、人口1億5,000万人を超えるといわれる西アフリカのナイジェリア。
日本の2.5倍ある国土の南部では、いわゆるブラックアフリカとしての光景が広がる。
しかし、この緑濃い南部から中部、北部へ向かうと、そのイメージは一変する。
乾燥した風景の中に現われるのは、全身を包む衣装をまとった女性たち。
北部はイスラム圏となっている。
カドゥナ地区のスラム街では、警察の力が足りないということで、ボランティアの自警団がある。
夜は男性がやっているが、ここではイスラム色強い社会でありながら、女性も頑張っている。
男性のサポートもつかない女性自警団は、主婦で子どももいるという女性たちで構成されており、むちを手に、3人1組でスラム街を毎日巡回している。
女性自警団隊員は「パトロールで強盗を捕まえることもあります」と話した。
自警団は、警察など治安機関と連携を取っているというが、本来、こうした活動は治安機関が行うもの。
しかし、その治安機関は今、ナイジェリア北部で近年広がった混乱に翻弄(ほんろう)されているという。
それは、イスラム教徒対キリスト教徒という宗教抗争の拡大。
さらに半年前、イスラム過激組織が軍や治安部隊と交戦するまでになった結果、現場ではせい惨な光景が展開されるようになる。
治安部隊が北部地域のある町で、イスラム過激派を摘発する様子をとらえた映像がある。
治安部隊に連れて来られた男たち、その1人はまだ10代の少年にも見える。
命ぜられ、男たちは道路の路肩にうつ伏せになり、そして、射殺されてしまう。
行われていたのは路上での処刑。
この映像では少なくとも7人が、こうした形で射殺されていた。
こうした宗教抗争とイスラム過激派の活動は、北部における深刻な貧困が原因ともいわれている。
取材班が訪れた地域もスラム街で、巡回する彼女たちもこの地域の住民。
決して豊かではないという。
容赦なく飛ぶ怒号、男性たちもたじたじの女性自警団。
イスラム圏では珍しい光景だが、実は今、男性の立場が強いといわれるこうしたナイジェリアのイスラム地域で、女性たちの社会進出と努力が、実を結ぼうとしている。
(02/20 00:48)