去年11月、東京・杉並区の居酒屋で16人が死傷した火災を受け、東京消防庁が都内の雑居ビルを立入検査した結果、9割を超えるビルで違反があったことがわかりました。
去年11月、杉並区のJR高円寺駅前の雑居ビルに入っている居酒屋で起きた火事では客や従業員4人が死亡し、12人が重軽傷を負いました。
この火事を受け、東京消防庁は都内にある2700棟余りの雑居ビルを対象に防火管理の体制や設備などについて緊急の立入検査を行いましたが、全体の93%のビルで消防法などの違反があったことがわかりました。
消火や避難の訓練をしていない違反が8432件と最も多く、他にも階段に避難を妨げる障害物が置かれるなど、防火管理の体制に関する違反が多かったということです。
東京消防庁によりますと、こうした緊急の検査は2001年に東京・歌舞伎町で44人が死亡した火災を受けての検査以来でした。
当時も検査を受けた647棟のビルについては、スプリンクラーや消火器など消防設備に関する違反が当時に比べておよそ37%減少したものの、防火管理体制に関する違反は横ばいだったということです。
東京消防庁は、ビルのテナントが入れ替わった際に届け出などが行われず、違反につながっているとして改善するよう指導しています。(19日18:46)