FXブログ 月曜コラム「週刊 独り言」

2009年11月24日アーカイブ


円売り介入。

日々のブログで、“ドル・円が下っても当局による円売り介入は出ない。”と断言したら、その根拠を示せとのご要望があった。
介入を決定する権限は財務大臣が持っているので、塾長ごときが根拠を示すことは出来ないが、どうして介入が出ないと思っているかの自論の説明は出来る。

先ず、どうして介入が出る必要があるのか?
現在のドル・円相場は89円近辺で静かに推移しているが、果たしてこれは円売り介入をしなければならないほどの円高か?
実はそんなことはない。
消費者物価の上昇を織り込んだ購買力平価の観点から言うと、ドル・円の90円前後はちっとも円高ではなく、10年前の110~120円の感覚ではなかろうか?
昨年から比べると円高になっている様な気がするが、その他通貨に対してはちっとも円高ではない。 むしろ円安であろうか。
対ドルにだけ円売り介入をする必然性が理解出来ない。

ちょっとお尋ねしたいが、皆さん、2年前にドル・円が100円を切れると思われていただろうか?
日本人は、お上(財務省)が多額の円売り介入を行って、100円割れを阻止するだろうと思い、願い、そして望んでいたが、何と今は80円台。
しかも、今では随分目が慣れてしまって、余り違和感を感じない。
違和感を感じないということは、多くの人が今の円相場に対して格段“問題あり!”とは感じていないとも言える。

皆さんご記憶であろうが、あの財務大臣が成り立ての頃、“介入はしない。”と発言して、まあ言わば今回の円高のきっかけとなったが、不注意な発言であったことは否めないが、本音がポロリと出てしまったのであろう。
ドル・円で介入する場合は、日米の財務当局の合意が必要であるが、日本は兎も角、アメリカの財務省が円売り介入を認めるだろうか?
アメリカは、“国際的な不均衡の是正”の観点から、人民元のより柔軟な動き(要するに切り上げ)を求めており、これはG8でも討議された。
片や中国に切り上げを求めながら、減りつつあるとはいえ、大きな貿易黒字を抱える我が国の通貨の上昇を意図的に止める仕業を、アメリカが容認するとは思えない。
2003年~2004年に35兆円にも上る円売り介入が行われたが、あの頃の日米関係は、小泉―ブッシュの仲良しコンビで最良であった。
日本が、“この円高(100円が割れそうであった。)が、折角回復しだした景気と株価に水を差す。 円売り介入をさせて頂戴な。”との泣きを入れたら、アメリカは“介入には反対だが、そんなに言うのならどうぞおやんなさい。但し、単独で自分の銭を使うことが条件ですよ。”と言って、OKした。
で、今の日米関係は???????
介入のかの字でも出したら、大笑いでもされようか?

ここでも何度が言ってきたが、アメリカは“強いドルがアメリカの国益に適う。”と公には言うが、そりゃそうだろう。
でないと、アメリカの債券を買っている人達がそれをぶん投げて、ドルは大暴落する。
本音は今年の3月のようなドル・暴落ではない限り、じわじわドルが下ることに対しては、何の痛痒も感じないどころか、大歓迎であろう。

それと、兎に角円が安くならないと、
外需は減少する。=企業利益が減少する。=株価の低迷。そしてデフレの進行。
と騒いで、“円下落の必然性”を唱える人達がいるが、相場は市場が決めるもの。
“何々であるべきだ。”とか、“でないと、何々だ。”と騒いでも、余り意味は無い。
買う人が多ければ相場は上がり、売る人が多ければ相場は下る。
極めて単純なメカニズムである。

繰り返しになるが、あれほど信じていた“100円は割らせまい。”との介入頼みが反故になった。
90円割れ、80円割れにそう大きな意味があるとも思えない。


もし、介入の話が出てくるとしたら、
―米ドルが急落する。
―日米関係が劇的に改善する。
―我が国のデフレ進行が急速に起きる。
であるが、その可能性は少なかろう。


これもよく言うことだが、我が国は原材料、エネルギーの殆ど、そして食料の60%以上を輸入している“輸入大国”である。
円高の悪い面だけが騒がれるが、円高のメリットも忘れてはなるまい。


  
久し振りにゴルフをして、筋肉痛の塾長。

2009年11月24日(火)09:08 個別ページ コメント(10)

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