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国母パパ「次の五輪出る資格なし」 (2/2ページ)

2010.2.19 05:04
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国母パパ「次の五輪出る資格なし」
大技ダブルコークの着地に失敗して転倒した国母は、顔面を強打(共同)【フォト】

 耳をつんざく歓声の中、深いため息がもれた。国母の妻・智恵さん(24)らと一緒に、「KAZU」と書いたうちわを手に競技を見守った父・芳計(よしかず)さん(51)は、息子の演技を見届けると、目頭を押さえた。

 「(応援に来るのは)迷いました。でも、これが最後だと思って。(息子)本人がやったことですが、(家族)みんな精神的に苦しかった。次の五輪は無理でしょう。いろんな方の意見を聞く限り、その資格はありません」

 あえて非情に、息子に五輪引退を勧告した。9日、成田出発時の公式服装の乱れに端を発した“腰パン問題”。日本中の注目を集め、多くの批判と怒りを買った。五輪という晴れ舞台を見終えた今、芳計さんは息子に男のけじめを求めた。

 二人三脚で来た競技人生だった。芳計さんがスノーボードをしていた影響で、息子は4歳で競技を始めた。しかし、「やりたい」と言ってきた息子に、簡単にやらせることはしなかった。飽きてすぐにやめてしまえば、意味がないから。鋼の意志ではじめた息子につきっきりで指導し、技を磨いた。父は厳しさで愛情を示してきた分、今回の騒動に心が痛む。

 「迷惑をかけました。本人に代わって謝りたいです。今後については本人としっかり話し合いたいと思います」。母・由香里さん(44)も、ひたすら頭を下げた。非難され、目標だったメダルも逃した息子を本当の意味で助けられるのは、家族のみ。約10人の親族応援団の帰路につく足取りはあまりに重かった。




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