駆け出し時代の藤田まことさんと兄妹を演じた女優・森光子(89)は「お体が良くなり、お仕事を再開なさったとうかがい、安心しておりました。とても寂しいです」と無念のコメントを寄せた。
57〜59年にドラマ「びっくり捕物帖」(大阪テレビ)で共演。藤田さんがあてにならない与力、森がしっかり者の妹役で、毎週兄に代わって事件を解決する役回り。芝居を離れると、毎日のように森が藤田さんを自宅まで迎えに行き、一緒に放送局に通ったという。
森によると、2年前には久々に東京・銀座で食事をする機会があった。その際、「森光っちゃん!一緒の舞台に出たいなあ。そのときは4番目の役でいいからね。4番目だよ。本当だよ」と、笑った藤田さんの顔が忘れられないという。
「大阪時代を思い出して、もう一度舞台でご一緒できたらと思っておりましたのに。残念でなりません。味のある俳優さんがまたいらっしゃらなくなってしまいました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます」。2人が思い描いた共演の夢はかなわず、森の心に深い悲しみが広がった。