「美少金融」の赤字不可避、金融研究院が分析

 金融研究院は18日、低所得層向けの融資プログラムとして発足した「美少金融」事業を現在のまま運営した場合、赤字は避けられないとする分析を明らかにした。

 金融研究院は「金融弱者解消に向けた政策庶民金融改善方案」と題する報告書で、「現在の美少金融事業計画は事業所と人材の確保、維持のための固定費用が膨らむ可能性が非常に大きい。金利収入は固定費用を辛うじて賄えるか、固定費用にも満たない」と指摘した。

 報告書は美少金融が全国に支店網を持つためには、約300の地域財団を運営する必要があると仮定し、事業所のスペース確保、維持や基本的人件費で年間400億ウォン(約32億円)程度かかると予想した。また、事業が軌道に乗れば、管理費用と人件費が増加し、固定費用は年間600億-700億ウォン(約48億-55億円)に達するほか、教育費、研修費、標準化された融資審査制度の運用・開発に追加費用が発生する見通しだ。

 しかし、美少金融の収入源は、融資残高を2兆ウォン(約1600億円)、貸出金利を年5%と仮定した場合、貸し倒れが全くないとしても、金利収入は1000億ウォン(約80億円)にすぎない。

 美少金融よりも融資審査が厳格な民間のマイクロクレジット事業の平均融資回収率が85%である点からみて、美少金融の回収率はそれを下回る見通しで、最終的に赤字は免れない見通しだ。

 これについて、美少金融中央財団の関係者は「平均融資残高2兆ウォンを維持し、地域財団を300個まで増やすことは、今後10年間の目標だ。全国の地域財団数は今後変動が見込まれ、それを300個とする固定条件でコストを計算するのは適切ではない」と反論した。

 昨年12月に発足した美少金融財団は現在、全国に27の事業所がある。金融委員会によると、今月16日までに美少金融の窓口には1万3700人が訪れ、うち238人が16億ウォン(約1億2800万円)を借り入れた。同題団は年内に事業所数を70カ所に増やす計画だ。

金載坤(キム・ジェゴン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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