韓国政府、「747公約」を事実上放棄へ

「ビジョン2020」策定に向けた作業に着手

 韓国政府はこのほど、李明博(イ・ミョンバク)大統領の任期後半を含む、今後10年間の国家の発展に関する計画「ビジョン2020(仮称)」を策定する方針を固めた。

 政府のある幹部は17日、「10年後に経済成長率5%、合計特殊出生率(15‐49歳の女性が一生の間に生む子供の数の平均)1.7人、一人当たりの国民所得4万ドル(約360万円)の達成を目指す、国家の発展の青写真となる『ビジョン2020』の策定に向け、作業に着手した。今後10年間を見据えた準備とは、李明博政権の任期後半の国政運営に関する方向性も含まれているという意味だ」と述べた。「ビジョン2020」については、先月からほとんどの省庁が参加し、アクションプラン(行動計画)の作成を進めており、李大統領の任期の折り返し地点となる今年6月に発表する、というのが政府の方針だ。

 「ビジョン2020」の策定は、2007年の大統領選で李大統領が掲げた「747公約」(任期中に経済成長率7%、一人当たりの国民所得4万ドル、経済規模世界第7位の達成を目指す)を事実上放棄し、国家の発展に関する新たな戦略を打ち出すことを意味する。これについて政府の関係者は、「7%の経済成長は、選挙公約としての性格が強かった。就任後の2年間の経験を土台とし、達成が可能な目標を立てていく方針だ」と説明した。大統領府と未来企画委員会は先月15日、すべての省庁との会議を大統領府で開き、各省庁に対し、「ビジョン2020」に関する計画や目標を提出するよう指示した。

 「ビジョン2020」は基本計画として、経済成長と低所得者福祉の均衡を図り、国家の発展を追求していくことを盛り込んでいる。

 とりわけ、10年後にも5%以上の経済成長率を維持できる経済体質を兼ね備えるため、潜在的成長力の拡充に力を入れる方針だ。このため、08年に1.19人まで落ち込んだ合計特殊出生率を引き上げることを、重要な目標の一つとして掲げた。

 また、中間層の拡大に向けたさまざまな政策も打ち出す方針だ。政府の関係者は、「一部の世論調査で、“自分は中間層だと思う”という回答が20%台にとどまったという。この数値を上げることも、『ビジョン2020』の目標だ」と語った。

李陳錫(イ・ジンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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