五輪アラカルト:福をもたらすソウル五輪の申し子たち
覇気と唐突さにより先進国型種目で世界へ
経済成長に伴い体力向上、闘志も高まる
1988年の「ソウル五輪ベイビー」たちが、韓国スポーツの枠を根本から作り直している。韓国時間の16日、韓国スピードスケート史上初めて五輪金メダルをもたらしたモ・テボムと、17日にアジアの女子選手として初めて、スピードスケート五輪金メダルを獲得した李相花(イ・サンファ)は、どちらも1989年生まれで、ソウル五輪以後に生まれた世代だ。冬季五輪史上初の500メートル男女制覇という偉業を成し遂げた二人は、韓国の経済発展が勢いづいた時期に生まれ、それ以前の世代とは異なる自信と唐突さで、新たな歴史を書き綴っている。
これまでも韓国はスポーツ大国と呼ばれ、冬季・夏季五輪で常に世界トップ10の成績を維持してきた。これは主に、伝統的な得意種目によるものだった。夏季五輪ではアーチェリー(16個)、柔道(9個)、レスリング(10個)、テコンドー(9個)などがメダル獲得の中心だった。また冬季五輪では、2006年のトリノ大会まで、ショートトラック(17個)以外では金メダルを一つも獲得できなかった。
しかし五輪ベイビーたちが成長するにつれ、このような種目の偏りも徐々に解消されつつある。08年の北京大会では、89年生まれの朴泰桓(パク・テファン)が水泳で金メダルを獲得し、すでに世界のフィギュア女王となっている90年生まれのキム・ヨナも、今大会では金メダルの最有力候補だ。以前は韓国選手の名前を聞くことさえ珍しかった先進国型種目で、韓国の若者たちは世界に号令を始めているのだ。
モ・テボム、李相花、朴泰桓以外にも、世界のスポーツ界で頭角を現している89年生まれは多い。今回のバンクーバー大会で、韓国代表として初の金メダルを獲得した李政洙(イ・ジョンス)も五輪ベイビーで、「天才ゴルフスター」ミシェル・ウィーも89年生まれだ。サッカー英プレミアリーグに進出している奇誠庸(キ・ソンヨン)をはじめ、14日のサッカー東アジア選手権大会の韓日戦でゴールを決めたイ・スンリョル、キム・ボギョンも89年生まれだ。
また、申智愛(シン・ジエ)をはじめとする女子ゴルフの「朴セリ・キッズ」たちや、サッカー韓国代表の李青竜(イ・チョンヨン)、北京五輪バドミントンで金メダルを獲得した李竜大(イ・ヨンデ)などは、1歳上の88年生まれだ。
彼らは金メダルを獲得して授賞式に臨んでも、雰囲気に圧倒されることはない。モ・テボムは17日の授賞式で、表彰台に口づけして観衆から拍手を受けるなど、喜びを素直に表現した。しかし、直後に「愛国歌」(韓国の国歌))が流れて太極旗(韓国国旗)が掲げられると、緊張した引き締まった表情を見せた。これは、新世代の愛国心がそれ以前の世代と比べても決して見劣りしないことを示している。
スポーツ関係者らは、彼らの善戦は韓国の経済成長と決して無関係ではないと口をそろえる。ソウル市立大学生活体育情報学科の金雪郷(キム・ソルヒャン)教授は、「経済成長に伴い選手たちの体力が向上し、海外選手との格差が一気に縮まっている。子供に対する親の投資が増えているのも、新世代スターが続々と誕生する背景にある」と語る。また、体育学会長を務めた李学来(イ・ハクレ)元漢陽大学教授は、「日本も1964年の東京五輪をきっかけに、さまざまな種目でレベルが上がった。韓国もスポーツ先進国へと成長する過程にあるといえるだろう」と述べた。
高錫泰(コ・ソクテ)記者
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