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フィギュアスケート

大けが克服、自分を追い込み成長 フィギュア銅の高橋

2010年2月19日16時54分

写真:表彰式で銅メダルを掲げる高橋大輔=飯塚晋一撮影拡大表彰式で銅メダルを掲げる高橋大輔=飯塚晋一撮影

 「一番スポーツに向いてないタイプ。他のアスリートの人に申し訳ないぐらい」

 高橋大輔(関大大学院)は自らを自虐的に「へたれで弱い人間」と言い切る。関西でよく使われる「腰抜け」「根性なし」といった意味の「へたれ」。人と競い合うことはもともと苦手。何度も壁にぶち当たり、弱音もいっぱいはいたし、逃げ出したりもした。

 昨季の右ひざの大けがが高橋を変えた。退屈なリハビリが嫌で、2週間も行方をくらました。そこで一人考えて、行き着いたこと。「やっぱり、自分にはスケートしかない」。自分自身の力で、氷の上に戻ってきた。今では「けがは必然だった」とはっきりと口にできる。

 右ひざの筋肉を取り戻すと同時に「肉体改造」もした。もともと硬かった股関節や足首は柔らかくして、今まで足りなかった筋肉もつけた。高橋のふくらはぎや太ももはまるでサッカー選手のようだ。

 年間で1足というフィギュア選手もいる中で、高橋は3カ月に1度は靴がぼろぼろになり、新しい靴に替える。それだけ激しいステップやジャンプを繰り返すアスリートだ。

 4年前のトリノ五輪。SPは1番滑走で5位につけ、フリーは最終グループに入って最終滑走。結果は8位。重圧に負けた「へたれ」の自分がいた。その直後から「五輪で金メダルを取る」という大きな目標を公言し始めた。「すごく難しくて高いハードルだと思う。でも、そこで負けて自分の目標を変えたら、絶対にメダルは取れない」。自分自身をあえて追い込んだ。

 そのトリノで経験したこと。金メダルを取った荒川静香さんと一緒にいる時間が多かった。「荒川さんは冷静というか、いつも通りに気持ちが落ち着いていた。あの時の荒川さんが出していた空気がすごく印象に残っている」

 4年後、同じ空気を醸し出していたのは高橋自身。もうこれで、「へたれ王子」とはさよならだ。(坂上武司)

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メダル獲得ランキング

(日本時間)02月19日(金)14時17分現在

順位 金メダル 銀メダル 銅メダル
1 国旗米国 6 5 7
2 国旗ドイツ 4 4 3
3 国旗ノルウェー 3 3 2
4 国旗カナダ 3 3 1
5 国旗韓国 3 2 0
18 国旗日本 0 1 2
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