リコールより自主無償修理が多い理由(上)

 トヨタが過去最悪のリコール(回収・無償修理)問題に苦しむ中、韓国の自動車メーカーも「リコールの恐怖」に震えている。

 韓国の自動車メーカーの品質担当幹部は「トヨタの大規模リコールは最近のコスト削減、部品共有化とも一部関係があるが、それは全世界の自動車メーカーに共通する問題だ。トヨタが経験した深刻なリコール事態はどの企業も直面し得る」と指摘した。

 リコールとは本来、自動車メーカーが当局に対し、車両に問題が発生する可能性に基づき無償修理を行うことを報告し、公開方式で実施する通常のアフターサービスを指す。

 しかし、消費者はリコールを重大で深刻な問題としてのみとらえ、無条件で悪いことだと誤解してしまう。このため、自動車メーカーは公開方式で行うべきリコールを避け、大衆に公表することなく、控えめに修理を行う「無償修理キャンペーン」を乱用する傾向がある。

 従って、リコールが多いからといって、問題が多いメーカーだと批判するのは不適切だというのが専門家の指摘だ。ただ、リコールが短期間に急増したり、リコールを発表する時期が遅れたり、リコールを実施すべき事由が生じたにもかかわらず、リコールを実施しなかったりすれば大きな問題だ。

 韓国消費者院のキム・ジョンフン部長は「韓国の自動車メーカーもリコールをできるだけ行わず、無償修理キャンペーンを乱用したり、それさえも行わずに整備センターに入庫された車に限って、顧客にも知らせずに修理を行うといった慣行が改まらない」と指摘した。

09年のリコール台数33%増

 国土海洋部がまとめた2009年の自動車リコール現況によると、リコール件数は国産車が24件(14万6148台)、輸入車が54件(1万2261台)の合計78件(15万8409台)だった。08年の134件(10万5986台)に比べ49%増えた。また、リコール対象車種の平均修理率は60%台にすぎなかった。修理率はリコール実施後に修理された対象車両の割合を指す。

 修理率は輸入車(65.5%)より国産車(57.8%)のほうが低く、国産車のリコール後の管理が行き届いていないことが明るみに出た。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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