警察関係者は「以前は見知らぬ生徒を殴り、金銭を奪うケースが多かったが、最近は学校で付き合いがある先輩や友人との間でそういうケースが増えた」と話した。別の青少年担当警察官は「最近は先輩が後輩に一対一で付きまとい、暴力から守ってやると持ち掛け、年中金銭やMP3プレーヤーのような電子製品を巻き上げるなどしている。そして、先輩にやられた分、自分たちも後輩をひどい目に遭わそうという思いが生徒たちの間に広がっているようだ」と指摘した。

　警察庁の調べによると、2007年に学校暴力で検挙された生徒は1万4368人だったが、08年には1万6295人へと2000人近く増えた。小中高校に設置された学校暴力対策自治委員会が把握した学校暴力は05年の2518件から08年の8813件へと4倍近く増えた。同じ期間に被害生徒数も6604人から2万4018人へと膨らみ、加害学生数も4567人から1万6320人へと大幅に増えた。性的暴力で検挙された生徒も同じ期間に298人から419人に増えた。

　専門家は最近の学校暴力に、より多くの生徒が加担しており、強盗行為も悪質化し、手口の知能化も進んでいると分析する。服を脱がせる暴力行為も最近出現したものだ。ソウル大心理学科の郭錦珠（クァク・クムジュ）教授は、「子供たちは服を脱がすことが、最も羞恥（しゅうち）心を抱かせる行為でありながら、被害生徒の体に証拠を残さない手口であることを知り、それを利用している」と説明した。今回の全裸いじめ事件も加害生徒が撮影した映像をインターネット上に掲載したことが警察の捜査で判明した。郭教授は「子供たちは動画や写真で『先生に言えるものなら言ってみろ』と力を誇示している」と指摘した。

　生徒らがインターネットのメッセンジャーでのチャットを通じ、先輩の強圧に耐えられずに金銭をゆすり取られ、要求に応じないと学校や町内で暴行される事件も頻発している。警察によると、ソウル市中浪区の中学校で先月、1－2年生の生徒がチャット相手の3年生から一人当たり1万ウォン（約780円）を奪われた。先輩が後輩にメッセンジャーで「公園に1万ウォンずつ持ってこい」と指示すると、後輩が仕方なく金銭を持っていくという具合だ。青少年暴力予防財団のチャン・メンベSOS支援団長は「インターネットや携帯電話の普及で、先輩が会いたいときに後輩に会い、暴力を振るい、カネを巻き上げることのできる環境が出来上がった。転校してもすぐにメッセンジャーや携帯電話でうわさになり、脅迫を受けるため、後輩は先輩の指示に逆らいにくい」と指摘した。

キム・サンミン記者

ソク・ナムジュン記者