「告訴の女王」が御用に /釜山
50代女性、13年間で告訴・陳情125件
裁判官・検察官にも言いがかり
告訴状を自分で作成、弁護士顔負けの法律知識
「これまでに行った告訴・陳情の件数は125件。その相手は約30人。抗告・再審・裁定申請・違憲法律審判の請求など、法で定められたあらゆる手段をすべて利用…」
これは先月13日、虚偽告訴の疑いで釜山地検に逮捕されたA容疑者(53)の、いわば「履歴書」ともいえるものだ。検察は、A容疑者が行った告訴のうち、15件について捜査を行った結果、虚偽の事実に基づいて告訴したことを突き止め、逮捕に踏み切った。
A容疑者は、法曹界ではすでに有名人だ。2000年8月の「洗濯物事件」は、釜山で勤務した経験を持つ法曹関係者であれば、知らない人はいないほどだ。
釜山に住んでいたA容疑者は、隣の家に住む主婦が、落ちていた洗濯物を拾ったところ、「なぜ人の洗濯物を落としたのか」と詰め寄って暴行を加え、全治4週間のけがを負わせたとして起訴された。それだけでなく、隣人を虚偽の事実で告訴した容疑も追加され、1審で実刑判決を受け、身柄を拘束された。その後、2審では執行猶予付きの判決を受け釈放されたが、自分に有罪判決を下した裁判官や、担当の検察官を、公文書偽造などの罪で告訴し、さらにこれを却下した検察官も、職務怠慢の罪で告訴した。検察の関係者は「釜山○○洞洗濯物事件に関与した裁判所、検察の関係者たちはみな首をかしげた。一時は関係する訴訟が数十件も起こされたことがあった」と話した。
A容疑者の「履歴書」は1997年から始まった。この年の秋、A容疑者は、普段から親しくなかった隣人が「にらみつけた」という理由でけんかを売り、軽いけがを負わせた。さらにその1カ月後、別の隣人に対し暴行を加え、悪口を浴びせたとして起訴され、罰金刑を言い渡された。その後、A容疑者は、一連の事件に関与した隣人や証人を次々と告訴し、さらに12年間にわたり、小さなトラブルを理由に、1-2カ月に1回のペースで捜査関係者まで告訴・告発したり、陳情を行ったりした。
A容疑者は数々の告訴を行っただけでなく、法律知識をひけらかしたという。検察・警察の関係者らは、「A容疑者は告訴状を自分で作成し、捜査機関では法律用語をすらすらと述べた。その知識は弁護士も顔負けといえるほどだった」と語った。A容疑者は検察の調べに対し、「大学の法学部を中退したが、最近また、韓国放送通信大の法学科で学んでいる」と供述したとのことだ。
A容疑者を逮捕した釜山地検は、A容疑者に対する取り調べの過程を録画しているという。A容疑者に言いがかりを付けられないようにするためだ。
だが、A容疑者は拘置所の中でも、事件の関係者らに対する告訴を続けており、検察や拘置所の職員たちも緊張を強いられているという。
柳井(リュ・ジョン)記者
李撤元(イ・チョルウォン)記者
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