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高知医療センター:PFI事業「期待した効果なし」 病院企業団が総括 /高知

 今年3月末で解消される高知医療センターのPFI事業を巡り、運営主体の「県・高知市病院企業団」は18日、事業の検証結果を明らかにした。官民協働をうたうPFI事業だが、頓挫した要因に「民に対する過度な期待があった」と反省。民間のノウハウ導入による経営の効率化については05年の開院以来の赤字が続き、「期待した効果は現れなかった」と総括した。

 企業団は医療行為以外のサービスを担う特定目的会社(SPC)「高知医療ピーエフアイ」とPFI事業を解約することで既に合意。検証は企業団内部で行い、企業団とSPCの「官と民」の関係を中心にまとめ、この日あった企業団議会議員協議会で報告した。

 検証結果では、PFI効果が最も期待された、薬品など材料費の圧縮について、SPCは医業収益に占める材料費の割合を23・4%と提案したが、実際は30%程度の高水準で推移したことで「PFI事業の歯車が狂った」と指摘。SPCへの過度な期待があったと認め、「(開院前に)実現可能性の検証とリスク分担の協議が十分でなかった」と振り返った。結局、官民の議論が平行線をたどり「民間の発想を経営改善につなげられなかった」とした。

 企業団は「(官民協働での)業務実施体制の熟成に至らなかった」とする一方、「目標を共有し、運営がうまくいけばパートナーシップの醸成も十分可能」とも言及。官民の意識のずれを強調したが、PFIの制度そのものの評価には踏み込まなかった。

 企業団は4月以降のセンター直営化に向け「中期経営改善計画」を策定。単年度収支はこれまで年20億円程度の赤字だったが、SPCにこれまで支払っていた約5億円の削減や病床の利用率増などで、11年度には500万円の黒字を出す目標を掲げている。山崎隆章企業長は「病院経営の効率化を徹底し、医療の質やサービスの向上に努めたい」と述べた。【服部陽】

毎日新聞 2010年2月19日 地方版

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