「貧困に苦しむ子」増加 県内教員8割が実感 本紙アンケート

親の経済状況「成長に影響」87%

2010年2月19日 09時40分
(7時間8分前に更新)

 「保険証がなく治療せず、虫歯から万年片頭痛を訴える」「徴収金を払わず、遠足に行けない」「食事は給食だけ」。貧困に苦しむ子どもの姿が、教師の目を通して浮かび上がった。沖縄タイムスは小中学校の教員を対象に、1月から2月にかけて独自にアンケートを実施。県内各地の241人から回答を得た結果、家庭や経済状況が厳しい子が増えていると答えた教員が8割に上った。(安里真己、嘉数よしの)

 アンケートは、県内各地の教員に回答を依頼し、ファクスなどで回収、分析した。回答人数は中頭地区93人、島尻地区52人、宮古地区41人、八重山地区25人、那覇地区20人、国頭地区10人となった。

 「親の経済状況が子どもの成長に影響している」と答えたのは210人(回答者の87・1%)、「家庭、経済状況が厳しい子が増えた」とした教員は、200人(83・0%)になっている。この子どもたちのために、自分の金を使った教員は104人(43・2%)おり「年に数万円使った」と回答した教員もいた。

 「給食費を払えない子どもはいるか」との問いには、152人(63・1%)が「いる」と回答。「病気やけがでも病院に行けない子どもがいる」とした教員も75人(31・1%)に上った。

 育児放棄に関する項目も設け「夜子どもだけで過ごしている子がいるか」と質問したところ、135人(56%)が「いる」とした。

 子どもの貧困の解決策として「給食費や学校で使うすべての費用を無料にしてほしい」との声が数多く上がった。

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