恨み？小型機がビル突入「働いても働いても金が残らない」

１８日、米テキサス州の州都オースティンで、小型機が突っ込み、黒煙を上げるビル Photo By ＡＰ

　米南部テキサス州の州都オースティンで１８日午前１０時（日本時間１９日午前１時）ごろ、小型機が日本の国税庁に当たる内国歳入庁（ＩＲＳ）事務所などが入居する７階建てのビルに突っ込み、建物は激しく炎上した。ＣＮＮテレビによると、ビル内にいた２人が負傷、１人が行方不明になった。操縦士は死亡したとみられる。

　国土安全保障省の報道官は「テロとの関係を信じるいかなる理由もない」と言明した。ＣＮＮによると、操縦士はオースティン在住の男性（５３）でネットに「働いても働いても金が残らない」などとＩＲＳへの恨みを記した遺書のようなものを残しており、警察当局は税金問題のトラブルなどからＩＲＳを狙ったとみている。突入前には自宅に放火していた。

　ＩＲＳは連邦税の徴収などにあたる連邦政府機関。

　米軍は突入直後、同州ヒューストン基地から上空警戒のためＦ１６戦闘機２機を緊急発進させた。

　ＣＮＮによると、飛行機はビルの２階に突入。ビルは黒煙を上げて炎上した。逃げまどう人たちが窓から飛び降りようとするなど現場は一時、騒然となった。近くのビルの住人は「ぶつかった瞬間、ビルが揺れ、地震のようだった」と話した。当時ＩＲＳの事務所には約２００人が勤務していたという。 （共同）

[ 2010年02月19日 09:10 ]