新たな「防衛計画の大綱(防衛大綱)」を検討する政府の有識者懇談会(座長・佐藤茂雄京阪電気鉄道最高経営責任者)は18日、首相官邸で初会合を開いた。鳩山由紀夫首相は冒頭あいさつで「周辺諸国の軍事力の近代化にどう対応していくのかという視点がある」と述べ、中国の軍事力増強の脅威を念頭に対処すべきだとの認識を示唆した。懇談会は今夏までに報告書をまとめる方針だ。
首相は「議論の中心は最近の注目すべき安全保障環境の変化だ」と指摘。具体例として、周辺諸国の軍事力近代化のほか、北朝鮮の核・ミサイル開発、日米同盟の深化、国連平和維持活動(PKO)、テロ対策への対応を挙げて検討を要請した。サイバーや宇宙など新分野にも言及し「タブーのない議論をしてほしい」と語った。
同時に「冷戦が終結したという歴史的転換がかつて起こったが、過去の大綱は十分それに対応してきたのか、という視点も重要だ」と指摘した。(00:26)