現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. 医療・健康
  4. 新型インフルエンザ特集
  5. 記事

インフルワクチン、秋から1種類でOK 国産で確保可能

2010年2月18日23時13分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

図

 国内のインフルエンザワクチンが今秋、1種類にまとめられる見通しになった。世界保健機関(WHO)が18日、来季のインフルワクチンに新型の豚インフルを組み込むことを推奨すると発表したからだ。今季のように季節性と新型の2種類のワクチンを打つ必要がなくなる。例年約4千万人にものぼる接種希望者の負担が軽くなる。

 今季の季節性ワクチンはAソ連型、A香港型、B型の3タイプのウイルスを対象にしてつくられた。インフルワクチンは1種類で最大3タイプのウイルスにしか対応できない。このためこれとは別に新型のワクチンもつくった。特に1〜12歳の子どもは季節性と新型を2回ずつ計4回も打つことになった。

 国立感染症研究所のまとめでは、昨年8月末から今年2月中旬までに全国の定点医療機関などを受診した患者から採取され、地方衛生研究所で分析されたインフルウイルスのうち新型が1万8076件。これに対し、Aソ連型はゼロ、A香港型は15件、B型は9件と、圧倒的に新型が多かった。世界的には、B型が日本より多い地域もあるが、おおむね似たような傾向だ。

 過去のパンデミック(世界的大流行)では、新型の流行に取って代わられる形でそれまで流行していたウイルスが世界的に姿を消している。理由はまだわかっていないが、今回も同じことが起きた。

 WHOはAソ連型の代わりに新型を入れることを推奨した。

 18日に電話会見したケイジ・フクダWHO事務局長特別顧問は「パンデミックが終わったというわけではない。秋以降も新型がインフル流行の中心になると予測される」と強調した。

 国内では今季、インフルワクチンをつくっている4社が季節性(成人換算で約4千万人分)と新型(同約5400万人分)の両方を製造しなくてはならなかった。このため、国産だけでは新型が足りなくなるという予測から外国産の新型(予定で同9900万人分)も輸入された。来季は、1種類のワクチン製造だけで済むため必要量を国産でまかなえる可能性が高い。

 国内では感染研が今後、WHOの推奨などを踏まえて専門家の検討会議でワクチンのもとになるウイルス株を選び、最終的には厚生労働省が決める。来季ワクチンが、新型とA香港型、B型という組み合わせになるのは確実だ。(大岩ゆり)

関連トピックス

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内