きょうのコラム「時鐘」 2010年2月19日

 自分でまいたタネだから仕方ない。思わぬ騒ぎや好奇の目にさらされ、若者が五輪のメダル取りに失敗した

服装の乱れは心の乱れ。だから実力が出なかった。説教好きの大人たちは、そう言うのだろうか。確かに、身だしなみは大切である。が、それとは別に、大人の世界に訳もなく反抗する若者の姿も、今に始まったことではない。みんな若気の至りを経験する

説教も、ほどほどにした方がいい。国会で取り上げられ、大臣が「極めて遺憾」と答えたのには笑ってしまった。カネの疑惑に、「反省してまーす」といった軽々しいせりふが何度出たか。進退を問われて「うるせえな」という顔をする仲間もいるではないか。若者の行儀の悪さの比ではない

海の向こうで、「トヨタたたき」が激しい。詳しい事情は知らないが、普天間問題の意趣返しとか選挙向けの芝居という憶測も流れる。何かヘン、という気配はぬぐえない。尻馬に乗って騒ぐ米国のおかしさを言うのなら、よってたかって若気の至りを懲らしめるのはおかしくないのか

まだ21歳。訳知り顔の大人たちを見返す再挑戦は、いくらもできる。