2010年2月19日 1時24分更新
コメディーの「てなもんや三度笠」や時代劇「必殺」シリーズなど、多くのテレビドラマや映画、舞台で円熟した演技を見せて活躍を続けた俳優の藤田まことさんが、17日、大動脈りゅう破裂のため大阪府内の病院で亡くなりました。76歳でした。
藤田さんは昭和8年、東京都で生まれ、京都の高校を卒業した後、上京して司会業やものまね芸などで舞台に立ちました。
長い下積み生活を経て、昭和37年に始まったコメディードラマ「てなもんや三度笠」に出演し、白木みのるさんらとの軽妙なかけあいで、コメディアンとして全国的に人気を集めました。
その後、昭和48年に始まったテレビドラマ「必殺」シリーズでは、さえない町奉行所の同心とクールな暗殺者というふたつの顔をあわせもつ主人公の中村主水の役を演じ、時代劇の新たなスタイルを築きました。
そのほかに、人情味あふれる刑事など幅広い役柄で円熟した演技を見せ、映画やミュージカルへの出演や、歌手としても活動するなど多彩な分野で活躍し、平成14年に紫綬褒章を受章しています。
藤田さんはおととし、食道がんが見つかって手術を受けた後、去年は慢性閉そく性肺疾患と診断されて治療を続け、先月、ナレーションの仕事で復帰したばかりでした。