サッカー:鄭大世、二重国籍問題で英プレミア移籍ならず

 サッカー北朝鮮代表の鄭大世(チョン・テセ)=25、川崎=が英プレミアリーグ・ブラックバーンの入団テストを受けていたことが分かった。

 鄭大世の関係者は17日、「鄭大世が先月31日から8日までブラックバーンの練習に参加し、入団テストを受けた。しかし入団には至らなかった」と伝えた。

 ブラックバーンは先月、ク・ジャチョル(済州)の獲得を検討していた。安貞桓(アン・ジョンファン)=大連=と李根鎬(イ・グノ)=磐田=、チョ・ジェジン(G大阪)の獲得も検討していたが、結局断念した。今度は鄭大世を検討した。鄭大世は1週間ほどの練習で「ゴールゲッター」としての可能性が認められたという。しかし契約には至らなかった。同関係者は「二重国籍が問題で職業ビザが出ない可能性が高いと判断され、契約に至らなかった」と説明した。

 これは韓国現代史の悲しみでもあるが、奇しくも鄭大世の国籍は韓国だ。鄭大世は名古屋生まれの在日コリアン3世。鄭大世の父は本籍地が慶尚北道義城郡で韓国国籍だ。このため鄭大世は韓国国籍を選択することになった。

 しかし母の国籍が北朝鮮であることから、総連系の学校に通った。鄭大世は、韓国籍を放棄して北朝鮮の国籍を取得しようとしたが、韓国政府が北朝鮮を国家として承認していないため拒否された。その後、在日朝鮮人蹴球協会の働きかけなど紆余曲折の末、国際サッカー連盟(FIFA)から北朝鮮選手としての承認が認められた。だが鄭大世のルーツは依然として韓国だ。兄のチョン・イセは現在、ノウォン・ヒュンメルでGKとしてプレーしている。

 鄭大世がプレミアリーグ移籍の夢を実現するためには、越えなければならないハードルが多いとみられる。

キム・ソンウォン記者

スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版

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