「自転車のまち」として売り出し、中心市街地を活性化しようと、宇都宮市は新年度から、自転車関連事業を3点セットで打ち出す。JR宇都宮駅西口で市民など自転車利用者の休憩施設「モビリティーセンター」(仮称)整備に着手するほか、今秋までに同市内のホテルなどにレンタサイクルを置き、宿泊客に無料で貸し出す。毎年10月に開催されるアジア最高峰の自転車ロードレース「ジャパンカップ」には市街地コースを新たに追加。街中で迫力あるレースが楽しめそうだ。
モビリティーセンターの整備予定地はJR宇都宮駅西口市営駐輪場に隣接する市有地。市民など自転車利用者が休憩し、シャワーなども使える機能を想定しており、今秋までに建物を仮設する。利用頻度やニーズを把握するため、新年度から2年間でモデル的に実施する。
レンタサイクルは観光などで市内を訪れたホテル宿泊客を対象としており、自転車で街中を散策しながらギョーザ専門店を回ってもらおうという狙いもある。JR宇都宮駅などの放置自転車を有効活用し、無料で貸し出す方針だ。市は宿泊施設の意向を踏まえ、今夏までに設置個所や台数を決める。両事業で約2300万円を計上した。
市など主催のジャパンカップは1992年から開催。市西部の森林公園を発着点に、起伏ある周辺道路を周回する1周14・1キロのコースで行われ、本場欧州で活躍する世界トップクラスの選手が出場するレースとしても注目を集めている。
市によると、新たな市街地レースにはプロ選手が出場。大通りの一部区間を使用し、2日間開催の初日に実施する方向だ。現在は実行委員会が具体的なルートや周回距離など関係機関との調整を進めている。市は新年度予算に事業費約8900万円を盛り込んだ。
森林公園周辺を会場とするアマチュア参加レースとプロのみの2日目のレースも従来通り行う。
17日の新年度当初予算発表の会見で、佐藤栄一市長は「ジャパンカップは宇都宮の財産。市街地レース開催は国内外に大きなインパクトを与えるものとなる」と期待を示した。