2007年09月03日
K
読んだ後
4日間ぐらい絶望感でテンションが下がったままになった
古谷実さんの「ヒミズ」というすごい漫画があるんですけど
その最終回に
「決まってるんだ」
というセリフがあって
その後(たしか)「そうか・・・」「どうしてもダメか・・・」と言って
主人公は自分にピストルを向けるんですが
ぼくはそのシーンが今でも日常生活の中でよくフラッシュバックするんですよね
その「決まってるんだ」というセリフをぼくは
運命とか宿命のようなものだと捉えています
どんなに
努力しようが
抗おうが
決まっている運命
今年の夏
8月16日
有明ディファという所で
春日さんがKー1のリングに上がりました
「なぜお笑い芸人がKー1のリングに上がるのですか?」
という質問を周りの人や記者の方に春日さんはたくさんされていました
そして、その質問に一切答えられていませんでした(笑)
春日さんは自分の行動をいちいち自分で言葉に置き換えるようなタイプの人間では無いのです
「やりたいからやる」というタイプの人間です(バカだから)
だけど
人は
理由がわからないと怒るから
いろんな外野の人達にいろいろ言われていましたよ春日さん
そら言われるよな
あと「春日さんはどこへ行きたいの?」という質問もよくされたけど
ぼくは「そもそもどこか行かなくちゃ行けない所って決まってんのかよ」とムカついていました
「春日さんがKー1選手になったらどうすんの?」という質問もよくされたけど
まさかそんな身体能力が春日にあるとは想像出来なかったんで
リアリティを持って考えなかったけど
そうなったらそうなった方が良いと思ってました
このままの今日が続くより絶対そっちの方が良いに決まってる
家でアイロンをかけていた時に
なんとなく観ていた「ラジカル」で
ぼくは春日さんのKー1の挑戦を知りました(笑)
完全なる事後報告ですね
最初戸惑いましたが
なんとなく分かるっていうか
春日さんらしいなと
すっきりとした答えが聞けることを期待せずに
春日さんにKー1に挑戦する理由を聞いたんですが
あいつ自身あんまりよくわかっていない感じでした(バカだから)
すっきりしませんでした
おそらく春日さんは
昨日と同じような今日が何年も続いて
その流れを変えるような挑戦をしたかったんですよ
普通
そういう挑戦なら
スカイダイビングとか
坊主にしたりだとか
マラソンをしたりなんでしょうが
春日さんの場合はKー1なんですね
リングで殴られたり殴るというやり取りが
彼にとっての運命を変える挑戦なんでしょうね
高校の時とかも
春日さんは悩むと
「この机をオレにぶつけてくれ」だとか
「猛スピードの自転車から飛び降りる」だとか
わけの分からない方法で悩みを乗り越えていました(笑)
7月の1回目の試合が終わった後
「もうKー1は辞めて欲しい」というような内容を春日さんに伝えました
売名行為とか言われるのがすごく嫌だったし
そんなこと言われるぐらいなら
今のままでいいのに
挑戦なら
自分の職業の
お笑いの中で挑戦をして欲しいと
あなたが7年間避け続けてきたお笑いでの挑戦をして欲しいと(笑)
ですが
春日さんは
もう1回試合をしたいと譲りませんでした
1回目の試合で臆病な自分に負けた と
その自分に今度はなんとしても勝ちたい と
そして
運命に抗おうと
流れと自分を変えようとリングに上がった春日さんですが
試合内容は
終始
圧倒されていました
まず
手を出さない
最終ラウンドでようやく手を出すも
パンチもキックも空を切り倒す
現実に嘲笑われる
そして
カウンターを顔面にモロに食らって
これ以上上がらないってほどアゴを上げて
後ろにでんぐり返しするぐらいの勢いでダウンしました
それを観て
「立てよ!」
とぼくは叫んで
それを聞いて
春日さんは
ヒザを立てた
そして
振り返って相手選手を睨みつけた
あんまり見たことがない顔だったのでぼくは笑ってしまいました
試合後
春日さんは落ち込んでいました
リングに上がって何かを大きく変えるつもりが
春日さんはリング上でさらに臆病な自分に出会っただけだったようです
そして
こないだの
ラママのライブでも
またしても春日さんは臆病な自分に出会ったと落ち込んでいました
「決まってるんだ」
これはやっぱり
「決まっているんでしょうか?」
春日の試合の後も
ぼくは
用意していただいた
前から2列目の席で
はじめてみる
Kー1の試合を夢中で見た
リングの上は
このクソのような時代の象徴のような
冷笑主義 無気力 万能感
とは無縁だった
したがって
使い古された言葉だけど
リアル
だった
自分より
何歳も年下の人たちだけど
闘っている人たち
すごかった
闘っている最中の人達に
「決まっている」
かどうかなんか
考える余地も無さそうだった
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