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【北朝鮮問題】

北朝鮮代表が音信不通 拉致情報漏らし謹慎か

2008年12月11日

 【北京=城内康伸】日本との国交正常化交渉で北朝鮮の代表を務める宋日昊(ソンイルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使が10月以降、日本側が接触を図っても連絡を取れない状況であることが10日、分かった。複数の日朝関係筋が明らかにした。日本人拉致被害者に関する内部情報を日本側に漏らしたとして責任を取り、謹慎しているという情報もあり、関係当局は確認を急いでいる。

 宋氏は、拉致被害者の再調査のための委員会設置で合意した8月半ば、中国・瀋陽で開かれた日朝実務者による公式協議に、北朝鮮側代表として出席。北朝鮮が9月初めに再調査の延期を日本政府に伝達後、共同通信との取材に応じていた。

 外務省関係者によると、その後、日本政府が北朝鮮側と連絡を取っても、宋氏の消息が把握できなくなったとされる。日朝国交促進国民協会メンバーの和田春樹東大名誉教授らが10月半ばに訪朝し、北朝鮮側に宋氏との面会を要請したが、宋氏は姿を現さず、同国外務省の李炳徳(リビョンドク)日本担当研究員(副局長級)が代わりに対応した。

 日朝関係筋によると宋氏は今夏、日本人が北朝鮮で生存していることを示唆する情報を日本側に伝達。北朝鮮指導部の許可なく漏えいしたとして、謹慎処分になった可能性があるという。北京の消息筋は「思想などの再教育を受けているとの情報がある」と話す。

 宋氏は朝鮮労働党国際局などに所属後、朝日友好親善協会常務委員、外務省研究員などを経て、外務省アジア局副局長に就任、2006年1月から現職。

 

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