奈良

　大和高田市の市立病院で０４年１０月、出産直後に死亡した香芝市の女性（当時３５歳）が、大和高田市と産婦人科医に約９７００万円の損害賠償を求めた訴訟は１７日、奈良地裁（一谷好文裁判長）で和解が成立した。原告と被告の弁護士によると、市が遺族に８００万円の和解金を支払うとの内容。産婦人科医の過失については触れず、医師個人への請求は放棄した。

　訴状によると、女性は０４年１０月１２日、同病院で吸引分娩後に大量出血し、翌１３日に出血性ショックのため死亡。遺族が０５年４月に提訴していた。

　県警は、産婦人科医を業務上過失致死容疑で書類送検。奈良地検は０７年３月に不起訴（嫌疑不十分）にした。奈良検察審査会が不起訴不当と議決したが、地検は０８年１１月に再び不起訴（同）とした。【高瀬浩平】