尼崎市にある県立尼崎病院と県立塚口病院との統合問題で、県は17日、基本構想を策定し、二つの病院を統合して、別の場所に新病院を建設することを正式に決定した。
新病院の病床規模は、両病院の現在の病床数計約800床に比べると少ない700床程度に抑える一方、小児医療や周産期医療、救急医療を強化する。場所はまだ未定だが、県は尼崎市と協力して選定作業をするという。
赤字や老朽化、医師不足が問題化し、昨年10月には有識者からなる外部委員会が「両病院を統合することが望ましい」とする報告書を提出。これを受けた県は、ほぼそれに沿った基本構想案を発表し、先月14日から今月3日まで一般の意見を聴く「パブリックコメント」を実施した。
その結果、計256件寄せられた意見のうち賛成意見158件▽反対意見90件▽その他8件--だった。賛成意見が多くを占めたため、県は基本構想案とほぼ同じ内容で、基本構想をとりまとめた。
来年度予算案には、財源や場所も確定したうえで、さらに詳細な基本計画を策定するための予算800万円が盛り込まれている。【大沢瑞季】
〔阪神版〕
毎日新聞 2010年2月18日 地方版