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トヨタ自動車の「TOYOTA METAPOLIS」投資は無駄だと思う。

2010/02/18 14:35

 

最近、強く思ってきた。
トヨタ自動車が広告費削減を行うに当たって、ようやく、気づいてきた。

 

「ROI(投資効果)はどうなっているのか?」

 

「何が目標であって、今はどの地点にいるのか?」

 

「時間軸に対してKPIは確実に進んでいるのか?」

 

「評価する指数化は出来ているのか?」

 


それを、「TOYOTA METAPOLIS」に対して、価値あるものなのかということだ。

 


所詮、SL(Mercedesではない)と同じだろう。
他の自動車メーカはやってさえもいない。
3Dで車や工場を見せたかったら、www.ferrari.com でも出来ている。


国内の自動車販売に結び付いた件数はどのくらいか?

トヨタ車から他の自動車メーカに切り替えた影響はどのくらいか?


定量的に物事を見ないと、ROIなんて分からない。

そもそも、指標が見えない、難しい、困難だというものに対して、不確定に投資していないか?ってことだ。

 

 

トヨタ自動車は、証券部門から事実上、手を引いた。ホーム事業は分離させた。
そして、今回の生産ライン停止までも行っているトラブルと言うか、トヨタ自動車にとって災難というか(顧客によって見方は違う前提だが)、そんな中で、3Dの「TOYOTA METAPOLIS」など続ける理由はどこにあるのだろうか?
指標が存在しないのだ。

 

かつて、デザインしか出来ない若者が造ったWillのプロジェクトがあった。
これは、会社にお金がある時はいいけれど、単なる外観だけの“デザイン”重視の車造りにしか見えなかった。
旧VISTA店で販売されていた。
今は、生産や見直しなどなく、終わった。

 


効果が分からないものに投資できるだろうか?
今のキャッシュが減っていく中で。。。

 


2008/04/17のプレスニュースは以下のようにある。
http://www.toyota.co.jp/jp/news/08/Apr/nt08_0406.html
「昨今、インターネット上のブログやSNS(ソーシャルネットワークサービス)、およびセカンドライフに代表される3次元仮想空間が幅広く認知されてきており、企業の新たなマーケティングの場としても全世界で注目を集めている。 「トヨタメタポリス」は、トヨタの新たな情報発信媒体として、特に若年層のお客様に、クルマをより身近に楽しんでいただくことを目的とした、人とクルマ、地球と未来・夢・楽しさ、自然との共生を実現する、トヨタ独自の3次元仮想都市である。」

 


ITの世界で2年経過というのは、ずいぶん昔になるのだ。ITの進化は早い。


本当に、目的に達したのだろうか。国内の車販売はどのくらい寄与したのだろうか?

 

僕には「新型プリウス」しか寄与した車が見当たらない。
これはこんな「TOYOTA METAPOLIS」の効果ではない。

 


そもそも車が好きな人がトヨタ自動車の「TOYOTA METAPOLIS」経由で登録している方はたくさんいると思う。
でも、初めから車が好きだったり、詳しかったり、そんな人ばかりだったのではないだろうか?

初めから車が好きな人が入っていても、なんらROIへ寄与してはいない。

 

 

いまは、インターネットゲーム化しており、それが「TOYOTA METAPOLIS」への登録の牽引力となっていないだろうか?

バーチャルのアイテムなどが牽引力になっていないだろうか?

 

つまり、「TOYOTA METAPOLIS」の中に目的とする本質が存在しないのだ。

 

 

イベントをやっても、単なるアイテム目的も多いのではないだろうか?
もちろん、初めから車が好きな人にとっては大きなお世話かもしれない。

 

 

先日、ダイハツのOEM車である「新型パッソ」のイベントが中止になった。
これは、「新型パッソ」の発表会を仮想の女子大学の開校式を見立て、新車を披露するものであった。
これは一連の大規模リコール問題で自粛せざるを得なくなった。

でも、本当に、こんなイベントをやって販売促進に繋がるのだろうか?

3Dでのシミュレーションなど、デンソーでも大学でも実際に研究している。


「仮想の女子大学の開校式」がどんなに素晴らしい価値があって、NISSANやHONDA、Lexus、それから、海外の自動車メーカに対抗し得るのだろう?


目先のこと、将来の先々のことを考えても、効果があるのだろうかと疑問に思う。


また、このような仕組みをトヨタ自動車内部でもよく知らない人は多い。


本当に、こんな投資をして正しいのだろうかってよく思う。
どのくらいの人が「TOYOTA METAPOLIS」に登録していて、どうしてHONDAは黒字でもやらないのだろうか?なんて思ってくる。


今回のトヨタ自動車が広告費削減やライン停止で、このような企画というのは、ひょっとしたら辞めた方が、会社のためになるのではないだろうか?
トヨタ自動車はNISSANやHONDAのように1社で成り立たない。セントラル自動車やデンソー、関東自動車工業、東海理化などなど、そのようなグループ会社の構造になっている。
こんな企画が、もう2年近くも経過しているのに、本当に価値を見出しているのかは、疑問に思う。
それから、役員はメタバースのことを当然、よく分っていないと思う。

 

 

もし、イベントのアンケートで、それが効果指標だと言うならば、間違っている。
アンケートの際、アンケートを読まないで「決定」ボタンを連続で打つことが可能で、なんら見なくて済む。そして、アイテムが配布される。
このアンケート結果は、最高にトリプルAの評価になるのだ。
なぜか?
アンケートではじめから、ラジオボタンのデフォルトが「大変よかった」に付いているのだ。
チェックボックスの設問は、「決定」ボタンを押してもエラーにならず、確定できるのだ。
この不思議なアンケートは、「決定」ボタンの押下で、たった5秒で終わる。
イベント終了後、イベントに参加?しても、参加したようにアンケートに答えられる。

何もかも不思議だ。

 

こんなことが出来て、評価は得られないだろう。

「TOYOTA METAPOLIS」に絶対にROIは無いと思う。


それから、「TOYOTA METAPOLIS」の出現で、逆に「トヨタ自動車の車を買いたくないと思った」を、サンプリング調査でも良いから、やるといいと思う。

そして、「その理由」を明確に調べるといいと思う。


「TOYOTA METAPOLIS」だけではなく、アプリケーション全体に意識が波及するはずだからだ。
トヨタ自動車の投資決済を判断する方は、その影響をうまく誤魔化されて、捉えきれないでいる。


 

アプリケーションのバグは凄まじく多い。毎週のメンテ時間を確保しているにも係わらず、絶対に無くならない。

こんなことは有りえない。

IT化した自動車での車載用アプリケーション・ネットワークには比べものにならないというか、比べてはいけないくらいの品質レベルとなっている。

世の中にはいろいろなソフトウェアのシステムがある。銀行決済システムや航空管制システム、証券取引システム、生体認証システム。

このような大規模なシステムと、たかだかプリンタのドライバのソフトウェア品質って、何が違うと思う?

ソフトウェア品質に対する考え方、つまり、開発者、責任者の”人間”が異なるだけのこと。

 

 

 

このようなことまでトヨタ自動車の役員に情報が正確に伝わっているとは到底思えない。

 

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