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山中 真アナウンサーのブログ

なかなかどうしてやまなかまこと

インドでの道(5)

更新:2010年2月16日
今回のインド旅最大の目的がこれ。


聖なる母の河、ガンジスに抱かれること。

すぐ近くでは地元の方が洋服や身体を洗ってますし
河の水は濃い緑(黒に近い?)に濁っていて
透度10cmくらいしか見えず底はどうなっているの?と
正直衛生的には大きな不安を抱きつつ
目の前で沐浴している人達がいるんだからと
自分に言い聞かせてパンツいっちょで入ることを決意。

観光客で河に入っている人は僕の見る限り誰もいなかったし
ホテルのフロントで
「沐浴するからタオルを貸して下さい」と頼むと

「!? やめとけ」

と驚かれた上に一蹴された時には
さすがに心折れそうでしたが。
(結局「ちょっとだけ」と言ってタオル借りられました)

その辺にいた暇そうなおっちゃん(失礼)に撮影を依頼して

まずは様子見…


結構冷たいっ、ですが入れないほどではないかな。
片足ずつゆっくり入って…


もう片足も入れられるか…


いや、やっぱり冷たい。
一回しきり直して…


再び左足から…


今度こそ右足も…


後ろの歯磨きなんて気にしないで…


河底のヘドロの感触だって心頭滅却すれば…


で、一応の達成感で作れたこの笑顔♪


一応ガンジスに全身抱いてもらった気になったりして…


冷たさというより足の裏の感触に耐えられず撤収。


で、河から上がったところでカメラを頼んでいるおっちゃんに突っ込まれます。

「もう終わりか。全身入らないのか。」

いや、なかなかどうして。
ここまで来てビビってたらきっと後悔する?

ってことで第2ラウンド。
確かに横の少年は頭までぐいぐいいってるし。


さすがにへそから上は冷たいし…気温は15度ないくらいか…


冷たさも足裏の感触も水の濁りも忘れて…


ゆっくりゆっくり包まれて…


で、達成感でこの笑顔♪♪


いや〜、これ以上は無理ですな。
顔や頭までっていうのは次にとっておきます。

憧れのガンジスに抱かれた感激は、
足裏から伝わる得体の知れない恐怖の感触で吹き飛んだような。

見えない水面下に神秘的な未知なる世界が広がっていました。

あと、名も知らないおっちゃんが
ちゃんと写真撮ってくれてるかな?ってことも気になってしまって
感激が薄れたのかもしれません。

大いなる河で小さな僕。

ガンジスありがとう。
おっちゃんありがとう。

インドでの道(4)

更新:2010年2月15日
まだ訪印は続きます。

聖なる河、ガンジスに面した都市の中でも
最大の聖地であるヴァラーナスィー。
多くの旅人が最も衝撃を受けた場所としてあげるそうです。

思えば僕がインドに興味を持った大きなきっかけも
高校時代に聴いた長淵剛さんの歌う「ガンジス」という曲。

「死んだら灰になるだけさ」

と、それまで全く考えたことのなかった
「生と死」についてのストレートな歌詞に衝撃を受け
まだ見ぬガンジスの情景を想像し
「いつの日かこの目で」と思ったのでした。

その母なるガンジスに寄り添うようにある、ヴァラーナスィー。
わくわくドキドキで降り立ってまず気づくのは…
昨日までのコルカタでは見なかった“あのお方(?)”が
そこここで幅をきかせているじゃぁありませんか。


牛。ヒンドゥー教では崇拝の対象になっている「神様」だけあって
街のどこでも自由にマイペースに生きています。
ヴァラーナスィーは一歩入ると幅2〜3mしかない
細い細い路地が迷路のように入り組んでいて
初めて歩く観光者は地図を見ていても迷うこと必至という街。
その細い路地にも牛がいるもんだから歩きにくいわ、糞をふみそうになるわ。


時には牛とバイクがすれ違ったり、牛に道がふさがれる「牛渋滞」なんて
シュールな現場にも遭遇しつつ


いよいよ待ちに待ったご対面。

ガンジスは、ただひたすら、静か、でした。

身体を清めるため遠くからも集まってくる沐浴者たち


観光客相手に物売りをして生活をする少女


早朝暗いうちから洗濯を始める人たちと
そのすぐ横で煙を天に舞わせながら灰になってガンジスに還る人


全てを静かに抱いてくれる優しさと余裕のようなものが
ガンジスにはあったと思います。

早朝ボートの上から見た朝陽さえも
ガンジスを照らすためだけに顔をだしたと思わされました。


ガンジスで最期を迎えるのが最も幸せと
インド全土から集まるヒンドゥーの人達。

僕はどんな最期の迎え方が一番幸せなんだろう。

つまりはどんな生き方をこれからしていくべきなんだろう。

そもそも何のために生きているんだろう。

自分で言うのもなんですが
基本的に軽く楽観的に生きてきて
そんな根源的なことは考えたこともなかった僕でさえ
「生と死」について考える、それがガンジスでした。


インドでの道(3)

更新:2010年2月10日
インドでの列車旅はまだ続きます。

コルカタからヴァラーナスィーへの夜行列車は14時間の旅。

赤と青の派手なボーダーが売り子さんの制服のようで、
狭い通路をひっきりなしに商売しにきます。

「ウォーター、ウォーター、ウォーター」
「チャイ、チャイ、チャイ、チャイ」
「ディナー、ディナー、ディナー」
「○×△、○×△、○×△(←ヒンディー語で分からない)」

「ひたすら連呼」という分かりやすい手段で攻めてきます。

こんなことにやられていてはいけません。
もっと恐い話を事前に聞いていたんです。

夜行列車は寝てる間の置き引きなどもあるんだとか。

特に下段シートは盗られやすいとのことで
僕の席が上段でほっとしましたし、
日本から買っていった自転車チェーンキーがここで活躍。
リュックはチェーンで固定をし、
貴重品ポーチは抱いて寝る、これで大丈夫、なはず。

と思って周りを見ると…、
みんな普通に荷物床に置いてるし。
なんか僕だけ必死な感じでなんか気まずいし。

もう1つの恐い話はここ最近出ている「睡眠薬強盗」。

列車内などで仲良くなってからすすめられる
クッキーやお菓子などの食べ物。
口に入れてからの記憶がなく、
起きた時には身ぐるみはがされているなんてことも。

実際、結構インドになれている方が、
仲良く話した人から食べ物をすすめられて、
もしかしてと思いつつも食べないのは失礼と思い、
一度口に入れて食べるふりをして横にペッと出したんだとか。

それでもその一瞬口に入れただけで意識が朦朧、
気づいたら盗られていた、ってことがあったそうな。

よし、何をすすめられても絶対絶対食べないぞ。
失礼と思われようが、おそらくは怪しいってことで
しっかり断ろう。
いや、そもそも話しかけられた時点から警戒するか。
しっかり厳重にガードして・・・って、

いや、誰も食べ物くれないし。
ってか誰も話かけてこないし。


最大の試練は列車旅の最後に襲ってきました。

チケットに印字された到着予定時間は朝の9:11。
9時前からそわそわしてやっと停まった駅で外を見回すも
看板などが全くなくここがどこだかわからない。
社内アナウンスなどももちろんなく
ある人に「ヴァラーナスィー?」と聞くと「イエス」というし、
ある人は「ネクスト」と言うし。

どうやら次っぽいという雰囲気で「ネクスト」を信じて席に戻るも
いつ次の駅に着くのかこれまたまったくわからない。
しばらくうろうろしているとおっちゃんが到着は10時ごろだ、と。
また別のおっちゃんは10時半くらいだと。

どの言葉を信じたらいいのかわからず、
駅に着くたびにでかいリュックを持って上段の席から飛び降りて
出口から外を見て、やっぱり違ってまた席に戻る、
こんなことを5、6回は繰り返しました。

だって乗り過ごしたらどこに行くかわからんし。

いや、なかなかどうして。

結局ヴァラーナスィー駅に到着したのは10:40過ぎ。

あのチケットの「9:11」の印字はなんだったのか?
1時間半も遅れるくせに9時「11」分まで細かく
到着予定時間をだすのはなぜなのか?

腹立たしさと不思議さとなんとか無事降りられた安心感とで
複雑な感情でのヴァラーナスィー到着♪となりました。

なんとか到着ヴァラーナスィー駅

インドでの道(2)

更新:2010年2月5日
インド旅は続きます。

コルカタを後にして
次に向かうはヴァラーナスィーという街。
母なる川・ガンジス川沿いにある巡礼の聖地です。

コルカタからヴァラーナスィーまで選んだ手段は夜行列車。
およそ14時間という長旅です。

まずはコルカタのメイン駅、
ハウラー駅の大きさ、人の多さにびっくり。
改札が無いため、誰でもホームまで入ることができて
乗客だか物売りだかそこで暮らしているのかなんなんだか。


なのに駅員らしき人は全く見当たらなくて
僕はどこで待ってどこのホームに行けばいいのか全然わからんし。

運良く(?)たまたま見つけた僕の乗る列車のホームには
人だかりができていて、のぞいて見ると紙が張り出されていて
1等、2等など座席ごとにシートナンバー、そこになんと
1人1人の客の名前まではっきり印刷されています。


「A1(クラス)NO.24  Makoto Yamanaka 」

おぉ、名前があって席が取れていることにほっとするとともに
・・・個人情報おっぴろげだな。

長旅に備え売店を見てまわり
おいしそうなスィーツ屋さんでケーキを購入。
まぁ結果から言うと見た目に騙されたってことになるんですが。


いよいよ乗った寝台車。クラスは上から2番目。 


僕の席は2段式の上段で、全長1m70cm、幅55cmくらいのシートは
正直窮屈でしたが、シーツと毛布も配られたし、
自由席の人たちが同じ大きさのシートに5〜6人くらい座ってたのを
直前に見ていた僕は贅沢なんか言いません。

カーテン閉めれば一応個室みたいになるし…快適快適、
と思ってどの姿勢が一番楽か、座ったり横になったり
寝返り打ったりと動きまくって夜9時半を過ぎたころ、
突然頭上の電気が消えて辺りが真っ暗に。

「?!」

早くも消灯時間か?
いや、同じ車両内、となりのブロックの電気は点いてるし。

と思ったら頭上の電気がまた点いた。

しばらくして、いや、また消えた。

その時かすかに聞こえた「パチッ」という音。

おぉ!スイッチがあるんですな。
しかも僕の下の段の人のところに。

つまり我らが1ブロック(6人)の頭上の電気の「スイッチ権」は
僕の下のおばさまが所有しているようで。

もちろん僕を含め周りに何の断りも無く
突然辺りが暗くなったり明るくなったりする仕組み。

いや、なかなかどうして。

あまりのことに理解するのに少し時間かかかったし。

インドでの道(1)

更新:2010年2月4日
旅から1ヵ月以上経って今さらですが。

昨年12月に昔から憧れだったインド旅が実現しまして、
7日間でコルカタ、ヴァラーナスィー、デリーという
3都市をカメラ片手に1人で回ってきました。

何度かにわけて写真と思い出披露を。

まずは雑然とした下町、エネルギーと生活臭の強いコルカタ。
人口500万を超えるインド第4の大都市です。

日本とそう変わらない部分もあって、
マクドナルドもケンタッキーもありましたし(セットで約250円〜)


映画館もあります(1人約110円〜)。


日本車のスズキはよく走ってましたし
(洗車屋のおじさんが掃除してました)


中央郵便局はたいへん大きく立派で


コルカタ最高級ホテルは綺麗なプールもありますが(1泊約4万円〜)


やっぱりそこはインド。日本とはちがうものがいろいろあります。

マクドナルドにもケンタッキーにも入り口は
警備員と金属探知器に守られていましたし、
地下鉄も走ってますが(初乗り約9円)、
切符は手売り、ここにも警備員の厳重なガード、
そしてホームにはなぜか体重測定器(1回約4円)。


どう測定結果が表示されるのか分かりませんが、
派手に電光掲示で[○○s!]とか出ると恥ずかしいような。

路上では少年達がクリケットをしていて
(イギリス植民地時代の影響で男の子は楽しまない子はいないほどとか)


また路上の別の場所では洗濯、いや服だけでなく身体や歯も洗っています。


「リクシャ」と呼ばれる人力車も日本より一般的に生活に使われています。
(ちなみに日本語の人力車が語源なそうな)
インドでもコルカタのみに残るこのリクシャに乗ると
タイヤは鉄か?と思うほど尻への振動が強烈で
リクシャの作りが悪いのか、道が悪いのか。
大通りに出て、車の流れにリクシャで並ぶのは
なんだかとっても不思議な感じ、でした。


何より不思議だったのは、お金の価値観が無秩序?なこと。

1泊何万という高級ホテルに泊まるインド人もいれば、
僕が泊まったホテルは1泊650円ほど。


シャワーのお湯は出ずバケツで持ってきてもらうシステムでしたが
別にこれはこれでどうにかなるもんですし。

金持ち向けカフェではサンドイッチとケーキで400円。


これはこれで日本で食べるのと同じで美味しいんですが、
そのすぐ目の前の路上で売っていたエッグトーストはたったの17円。
チャイ(インドのミルクティー)が7円で、計24円ほどだけど
これがまたじゅ〜ぶんうまいんだなぁ。

綺麗な身なりのお金持ちそうな人も
多くの路上で生活する人や
赤ちゃんを抱いた10代と見える女の子の物乞いなども
みんなが雑然と入り混じっていて
そのルールの無さ、無秩序さ(そう見える)は
僕からすると本当に不思議というか理解不能というか。

いや、なかなかどうして、頭こんがらがります。



プロフィール

山中 真Photo
名  前:山中 真
誕生日:11月20日
星  座:さそり座
血液型:A型
入社年:2001年

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