2010.02.17 Web posted at:  18:02  JST Updated - CNN
サイエンス

ツタンカーメンの死因はマラリア? 医学誌に研究報告

(CNN) 黄金のマスクで知られる古代エジプト王、ツタンカーメンは、マラリア感染と骨折による合併症により17―19歳前後で死亡したとの研究結果が、米医学誌JAMAの最新号で発表された。ミイラのDNAなどから明らかになったという。

チームは、ツタンカーメンをはじめ、同じ時代のミイラ10体を、人類学、放射線学、遺伝子検査などの手法で調べた。

調査を率いた考古学者ザヒ・ハワス博士によると、DNA鑑定の結果、ツタンカーメンは同博士がかねて推測していた通り、同じ第18王朝の王アクエンアテン(アメンホテプ4世)の息子だったことが分かった。母親はアクエンアテンの姉妹とみられ、近親婚による遺伝病を患っていた可能性がある。調査対象のミイラからは全体として、循環器などに先天性とみられる異常が多く見つかったという。

CTスキャンなどにより、ツタンカーメンは背骨が後ろに曲がり、足の指が欠損していたことも明らかになった。その結果左足がはれ上がり、歩行には激しい痛みが伴ったと考えられる。

同博士によれば、壁画などに描かれたツタンカーメンはほかの人物のように立った姿勢でなく、馬車に座って矢を放っている。これは立つのが困難だったためと考えられる。また、墓に納められた100本の棒は従来、権力の大きさを示すと考えられていたが、ツタンカーメンが実際に使っていたつえではないかと、同博士は指摘する。

ツタンカーメンをはじめ、多くのミイラのDNAからは、マラリアの病原体である寄生虫の痕跡が見つかった。ツタンカーメンが大たい骨に重度の骨折を負っていたことも判明した。同博士は、ツタンカーメンはマラリア感染と転倒などによる骨折が重なった結果、死に至ったのではないかと結論付けている。

その他のCNNサイト

関連リンク

cnnmoney.com
US発ビジネス、フィナンシャル、個人向け経済ニュース
sl.com
米誌「スポーツ・イラストレイテッド」によるスポーツニュースとスコア情報
asahi.com
朝日新聞社のニュース、総合情報サイト

English ExpressTIME