【社会】「めぐみさんと面会」 金賢姫元工作員が証言2010年2月17日 夕刊 1987年の大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キムヒョンヒ)元北朝鮮工作員(48)が昨年5月、韓国で面会した外務省や警察庁の担当者に対し、拉致被害者の横田めぐみさんと「会ったことがある」と証言していたことが分かった。 東京都内で17日に開かれた拉致問題に取り組む国会議員との会合で、中井洽拉致問題担当相が明らかにしたと、出席した複数の議員が話した。金元工作員がめぐみさんと会った時期などには言及しなかった。 中井担当相は証言をまとめた報告書が当時作成されたが、最近まで報告を受けなかったと発言した。 また、めぐみさんの両親が金元工作員との面会を望んでおり、金元工作員の日本招致へ向けた手続きに入ったことも明らかにしたという。 金元工作員は昨年3月、78年に拉致され同元工作員の日本語教育係を務めたとされる田口八重子さんの家族と釜山で面会。記者会見で「めぐみさんは同僚工作員のキム・スクヒに日本語を教え、2人が一緒に写した写真を見たことがある。韓国人と結婚して娘を産み、入院したこともあるが、病状は深刻ではないと聞いた」と話していた。 金元工作員には、87年11月に旅客機を爆破した直後、拘束されたバーレーンへ日本の偽造旅券で入国した旅券法違反容疑事件が未解決で残されており、日本招致に際しこの問題が懸案になる可能性がある。また、訪問が実現すれば北朝鮮の態度硬化は必至で、韓国政府の判断も焦点になる。
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