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小林氏陣営支えた北教組

2010年02月17日

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陣営幹部らが拍手するなか、総選挙の当選確実の知らせに喜ぶ小林千代美氏(左から2人目)=昨年8月30日、江別市

■高い組織率、カンパ熱心

 昨年の総選挙で民主党・小林千代美衆院議員=道5区=側に選挙資金を違法に提供していた容疑で強制捜査を受けた北海道教職員組合(北教組)。組織率が高く、国政選挙前には組合員にカンパ(援助金)を要請するなど、連合北海道の傘下の労働組合でも有力団体とされる。今回の事態に組合員からは「組合活動と政治活動は別だ」との批判が高まる。一方、北教組に頼る同党北海道や連合幹部からは、夏の参院選への影響を懸念する声が相次いだ。

■選挙密接 批判も

 北教組は日本教職員組合(日教組)に加盟。道教育委員会によると、昨年10月現在の組合員数は公立小中学校の教諭を中心に約1万9千人で、組織率は約34%という。

 だが、北教組関係者は「管理職を除いた小中学校の教諭では7〜8割が組合員」と説明。昨年の道内労働組合の組織率17・5%を大きく上回り、連合北海道幹部は「非常に力が強い組織」と評する。

 北教組の組合員らによると、カンパ活動にも熱心だった。これは連合が政策実現を目的に傘下団体に求めているものだが、50歳代の男性教諭は「国政選挙前にカンパの要請が来る」と受け止めている。昨春には8月の総選挙向け、今月に入ってからは今夏の参院選に向け、1人1千円を求められたという。

 60歳代の元教諭の男性は「選挙のたびに1口500円とか1千円とかを求められた」と振り返る。学校ごとの「分会」から市町村ごとの「支会」を経て、支庁単位の「支部」に集められ、最終的に本部に流れる仕組みだった、とも説明した。

 このカンパだけでも組合員の数からすると、国政選挙1回につき、数百万円から1千数百万円が集まる計算だ。

 ただ、その使途については「収支は示されない。組合員の目の届かない所にあった」と話す。40歳代の男性教諭も「使途は全くわからない」と話し、北教組執行部を批判する。「組合活動を選挙と結びつけるのはどうか。特に今回は金の問題。見直すべきところはクリアにして出直しを図った方がいい」

■参院選への影響懸念

 民主党道連や連合北海道は、国政選挙のたびに北教組の力を頼りにしてきた。

 小林氏陣営では、2003年の総選挙から3回連続で北教組幹部が選対を仕切った。昨年の総選挙に向けては、08年の事務所開設時から当時の委員長(故人)が選対責任者に就任。その委員長が昨年6月に死去した後は、1区の選対責任者だった副委員長が横滑りし、さらに組合員3〜4人が選対に入ったという。

 民主党道連幹部は「相手は町村信孝氏という自民党の大物議員。北教組の力は大きかった」と説明する。北教組は、昨年の総選挙では5区だけでなく、1区や4区にも幹部を各選対に入れていた。

 同党道連や連合北海道は、約5カ月後に迫った参院選道選挙区(改選数2)でも北教組の力をあてにする。

 だが、16日に札幌市で開かれた合同選対会議で、道連の佐野法充幹事長は「様々な問題で民主党に対し厳しい視線が注がれている」とあいさつ。記者団には「参院選に何らかの影響があることは避けられない」と述べた。

 別の道連幹部は「北教組が動けなくなる。事件が長引けば他の組織も萎縮(いしゅく)して動きが鈍くなる」と懸念を示した。

 小林氏陣営をめぐっては、連合札幌幹部が公職選挙法違反の罪で有罪判決を受けたばかり。その公判では、連合の裏金作りも指摘された。相次ぐ事件に連合幹部は、目標とする参院選での2議席獲得について「相当厳しくなる」と漏らした。

■委員長代理宅や書記長宅も捜索

 北海道教職員組合(北教組)側が、民主党の小林千代美衆院議員=道5区=側に違法な選挙費用を渡したとされる事件で、札幌地検は16日、政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)の疑いで、札幌市内の北教組委員長代理の自宅や、小樽市内の書記長の自宅などを家宅捜索した。この事件での家宅捜索は、15日の北教組本部などに続いて2日連続となった。

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