捕鯨船衝突事故で回避義務を怠ったのはアディ・ギル号ではなく第二昭南丸だった
過去ログ:捕鯨問題
いつもこの時期になると、「財団法人日本鯨類研究所」の天下り役人や農水省の官僚がやたらと捕鯨問題を報道させたがるのは、予算の関係で多額の国庫補助金を望んでいるからであろう。一昨年だったか、メディアに捕鯨に関する報道を煽って、国庫補助金が増額されたのに味をしめているとしか思えない。
今回のシー・シェパードのアディ・ギル号と第二昭南丸との衝突事故がネット上でここまで大きく報じられるのも、アンチ捕鯨派と言われている鳩山首相の気を引くためであろう。
それにしても、天下りを廃止すると公約に掲げた民主党鳩山政権が、いまだに天下りの巣窟である「財団法人日本鯨類研究所」を温存し、彼らが主張するまま南極海での捕鯨を続行させているのはおかしい。鯨肉なんてほとんど食べないのに、この天下り団体を維持するためだけに多額の血税を支払っている日本国民が哀れだ。
今回の捕鯨船衝突事故でも、日本では日本側の主張のみを報道するという偏向報道に徹したメディアが多い。ネット上の議論を読んでも根拠なくシー・シェパードが悪いことになっている。勝手に私が「鯨博士」と呼んでいるカメクジラネコ氏が、久しぶりにJANJANに捕鯨問題に関する記事を投稿された。特に、衝突事故についての見解は見逃せないと思ったので、一部紹介させていただきたい。
マスコミが伝えようとしない調査捕鯨の「負の側面」
(JANJAN2010年01月07日)
以下は、国際条約である(※)COLREG条約の国内法に当たる海上衝突予防法の一文である。
第15条 2隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る動力船は、当該他の動力船の進路を避けなければならない。この場合において、他の動力船の進路を避けなければならない動力船は、やむを得ない場合を除き、当該他の動力船の船首方向を横切つてはならない。
鯨研とSSがせっせとメディアに配布している写真やビデオ映像を見れば、アディ・ギル号と第二昭南丸とがお互いに直進してきてぶつかったのは一目瞭然である。一義的な回避義務があったのは、すなわち相手の船を右舷側に見ていたのは、果たしてどちらだろうか?
下のYouTubeを見ても明らかだが、もちろん、回避義務があったのは、アディ・ギル号を右舷側に見ていた第二昭南丸の方である。
シー・シェパード側からの衝突〜農水省
(日テレNEWS24 - 01月07日 16:43)
南極海で日本時間6日、日本の調査捕鯨船「第二昭南丸」と、捕鯨に反対する国際環境保護団体「シー・シェパード」の高速船が衝突した問題について、郡司農水副大臣は7日、「シー・シェパード側が衝突してきた」との見解を示した。
郡司副大臣は、シー・シェパード側が「捕鯨船が故意に衝突してきた」と主張していることに対し、あらためて、シー・シェパード側からの衝突との考えを示した。また、妨害活動について、「極めて危険な行為で、断じて許されるものではない」とし、関係国に取り締まりの強化などの申し入れを行っていることを明らかにした。
この記事を読むと、まるで「第二昭南丸」が調査捕鯨船のように書かれているが、カメクジラネコ氏の前述の記事を読んでいただけばお分かりの通り、「第二昭南丸」はICRW8条で認められるところの科学的調査活動に従事しているのではなく、「妨害の妨害」を任務としている船である。
日テレの記事では、郡司副大臣がこの事実を知らないのか、知りながら嘘をついているのかわからないが、自分たちが妨害しているのを棚に上げて、シー・シェパードの妨害活動だけを非難しているのは滑稽である。農水省の官僚に完全にはめられているとしか言いようがない。日本側の主張のみを伝え、シー・シェパード側の主張は全く伝えていない。シー・シェパードだけが悪者であるかのような誤解を読者に与えるあまりにも偏向的な報道といえよう。
日本テレビといえば、以前、小池百合子が1979年から19855年まで「竹村健一の世相講談」でアシスタント・キャスターとして働いていた局であり、当然しがらみもあるであろう。
こうしてみると、今の鳩山政権バッシングを裏で操っているのは、小池の恋人と言われたあの人に違いない。もちろん、右翼米国人や自民党議員、官僚や電通なども加担しているのだろう。民主党政権を早く終わらせ、自分の息子が所属する自民党を再生させるのが目的だろう。将来はぜひ息子に首相になってもう一儲けしてもらいたいとでも願っているのだろうか。国民を騙し、郵政民営化で米国から多大なキックバックを受け取っただけでなく、今度はそのときに手に入れた資産でメディアを牛耳り、再び国民を騙すつもりかもしれない。小泉に裏で操られるメディアの報道を信じて、再び国民が騙されるようなことがあってはならない。どのメディアが真実を伝え、どのメディアが偏向した情報や嘘を伝えているのかを見抜くメディア・リテラシーが必要とされている。
天下り廃絶を公約とした鳩山政権には、すみやかに南極海での捕鯨禁止令を発行し、税金泥棒でしか鯨研は即刻廃止していただきたい。
関連記事:
シー・シェパード船衝突、反日世論高まる豪
(2010年1月7日21時56分 読売新聞)
【シンガポール=岡崎哲】米反捕鯨団体「シー・シェパード」の事実上の「出撃基地」となっている豪州で、日本の調査捕鯨船団の監視船と抗議船との衝突を機に、反捕鯨や反日の世論が高まりつつある。
7日付の豪大衆紙デイリー・テレグラフは、1面で「戦争だ」と扇情的な見出しを掲げ、両船の衝突を報じた。ヘラルド・サン紙が7日に行った世論調査では、8割以上が「日本の捕鯨船団は即刻撤退すべきだ」と回答した。
ラッド政権は衝突の事実確認に努めるなど、現時点で外交上は慎重な姿勢を示している。ただ、野党側は日本への対応が不十分として、「無法な日本の捕鯨をやめさせるために船舶を派遣すべきだ」(緑の党党首)などと政府への突き上げを強めている。
破損したアディ・ギルの写真:"The Daily Telegraph" Japanese sailors accused of deliberately ramming anti-whaling vessel Sea Shepherd's ship Ady Gilより
オーストラリアの首相代理が、この事故でアディ・ギル号の船員が全員無事だったのは奇跡と言ってもいいだろうというコメントを発表した。下の記事では、調査結果しだいだが、この衝突がどちらかによってわざと仕組まれたものである場合、告訴される可能性もあることに言及している。
"news.com.au" Ady Gil whaling clash charges may be laid
From: AAP January 07, 2010 8:46pm
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