高木マニア堂

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071:初代バカボンを観て泣け!

ノンセクション2010年02月17日 08:00 | フォルダ : テレビ

関連キーワード :テレビおバカ

<2007年3月=東スポ携帯サイトより>


 私は映画やドラマを観て泣くことがない。別に血も涙もない冷血人間ってワケでなく、そもそも泣けると予測されるような作品は、はじめから観ない主義なのである。

 よく番組改変期などに性懲りもなく放送される「誰もが泣いた!アニメベスト○×」みたいな番組でかかる「アルプスの少女ハイジ」でクララが立つ場面も「フランダースの犬」の最終回も「ホレ、泣きなさい!」と、予定調和で泣くことを強要されているかのようで、不快この上ない。

 それはともかく、泣くことが嫌いな私だが、全く予期せぬ形で泣ける場面に遭遇してしまったときは、ノーガードなだけに非常に打たれ弱い…。特に笑いを目的としたギャグ作品なんかに「泣ける話」がイレギュラーで混じり込んできた場合はもう駄目だ。

 1971年に放送された「天才バカボン」(よみうりテレビ系)は、パパの職業が植木屋だったり、ウナギイヌが不在だったり、バカボンが人並み外れた怪力の持ち主で、同級生からバカにされつつも、ケンカだけは異常に強かったり、オチが暖かく感動的にまとまっているなど、とことんカラっと不条理な原作とは、や
やテイストが違っているのが特徴だ。

 そのために、かなり原作に近い形でアニメ化された「元祖天才バカボン」(1975年)に比べると、原作至上主義なファンからは不当に評価が低かったりもする。

 そんなハートウォーミングな初代バカボン第32話の前半作「バカボンのひとりたびなのだ」(脚本・吉田喜昭)は、昔から再放送で観るたびに不意打ちを喰らってしまう定番の1本だ。

 TV番組の影響で一人旅に憧れるバカボンはある日、ママに直訴して田舎のおじさんの家まで一人旅することになる。この時、反対するママを制して「賛成の賛成なのだ」と言っていたパパだが、いざバカボンが出発するとなると、心配でいられない。

 ママから許可を得たパパは、呉服屋と美容院をハシゴしてお婆さんに変装(青島幸男の「いじわるばあさん」を赤塚不二夫が描いたようだ)してバカボンを追跡。新宿駅から汽車に乗り込むバカボンに追いつき、近くの座席に陣取り、たびたびバカボンのピンチを救うことになる。

 やまなか峠駅で下車しバス(まだボンネット式)に乗り込んだ後も同様。バスは途中、ガケ崩れによって不通となり、バカボンはお婆さんとともに、山道を歩くことになり(怪力バカボンは荷物とともにお婆さんを背負って山道を歩く)、雨や嵐に見舞われ、山小屋で一泊するハメに。

 この時、バカボンの口から「寂しくないよ。だってお婆さんといると、まるでパパといるみたいだもの」のセリフを聞いたパパは狂喜乱舞。耳が遠いフリをして何度もバカボンに「パパ大好き!」と叫ばせる。

 夜が明けて、バカボンはお婆さんを背負って下山。ついにおじさん宅付近のバス停にたどりつき、お婆さんと手を振って別れる。一人旅のアクシデントにもめげず、お年寄りにも親切なバカボンの頼もしい後ろ姿を、いつまでも見送ったパパは「これでいいのだ」とつぶやくのだった。

 正味10分。たったこれだけの話なんだが、お婆さんの正体に全く気がつかないバカボンの天然ぶりと無垢さ。それに普段は残酷なまでにハチャメチャなパパが、この回では「心配性な父親」という顔をのぞかせているというコントラストが「泣かせるツボ」を刺激するのだろう。

 この時代のギャグアニメは思わぬ不意打ちを喰らわしてくることが多いから要注意。泣いてたまるか!

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高木圭介のプロフィル 昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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