きょうのコラム「時鐘」 2010年2月17日

 大会第4日に、銀と銅メダル。金に届かなかった悔しさはあるが、これで五輪の楽しみが増した

前回大会はメダルが金一つだけ。事前に景気の良い皮算用を聞かされていただけに、落胆続きの日々だったことを思い出す。予想が当てにならないことを、しみじみと知らされた

選手にとって、評論家の予想はさぞや耳障りだろうと思う。体の調子や心の高ぶりを、アカの他人が十分に分かるはずがない。ある作家に聞いた話だが、あいさつを求められて席を立ったところ、隣の評論家がそっとささやいた。「先生、ズボンの前が開いています」

「おやおや、キミでも役に立つことがあるんだ」と、言葉を返したそうである。論評や予想とは、それくらい冷ややかに接する方が賢いのだろう。が、当人には迷惑千万でも、門外漢は訳知り顔の予想や解説につい耳を傾ける。予想があるから、番狂わせには興奮する

五輪は、途方もない重圧が選手を襲う。評論家の言う実力通りの結果が出ないことも珍しくない。前回に懲りてか、本大会のメダル予想は控えめのようだから、うれしい番狂わせの期待が高まる。