2010年2月16日 23時26分更新
広島で被爆した倉敷市の65歳の女性が、国に原爆症の認定を求めて3年余りに渡って続けてきた裁判が、16日結審を迎えました。判決は5月に言い渡されます。
この裁判は爆心地からおよそ4キロにあった自宅で0歳の時に被爆し、10年前子宮がんと診断された倉敷市の川中優子さんが(65)原爆症と認定されなかったこと
を受けて、平成18年に全国原告団の1人として、国に認定を求める訴えを起こしたものです。
16日岡山地方裁判所で開かれた裁判では、川中さんの最終意見陳述が行われ、川中さんは「被爆者に寄り添い、温かい気持ちを注いだ心ある裁判であってほしい」と訴えました。
このあと国側が意見を述べ、3年3か月あまりに及んだ裁判は結審しました。
原爆症の認定をめぐって国は、1審で勝訴した原告については控訴せずに判決を確定させ、原爆症と認定する方針を示しています。
裁判のあと記者会見で川中さんは「これまで隅に置かれてきた被爆者に光を差すことができればという思いで戦ってきました。勝利できるものと確信しています」と話していました。
判決はことし5月25日に言い渡されます。