実績紹介

ステキウーマン紹介

【ステキウーマン・インタビュー】第09回 柳都振興株式会社 あおいさん

ある日のBeans佐藤と山岸の会話。
佐藤「芸妓さんって素敵だよね」
山岸「でもなぞだよね」
佐藤「どんな仕事してるのかな?」
山岸「どうやってなるのかな?」
佐藤「聞いてみる?」
山岸「聞いてみよう」

006_2.jpg











あおいさん(右)
芸妓さんの撮影ポーズとして統一されている形。振り袖を重ね、手前に持ち上げているが、それはおしろいを塗っていない手を隠すため。お座敷で飲み物や食品を触ることもあるため、手にはおしろいを塗らないそうです。あおいさんが「芸妓」という職業を知るきっかけとなった先輩の春花さん(左)と。


ということで、今回のステキウーマンは、北前船の寄港地として繁栄した新潟の街文化を伝える花柳界にお話を伺いました。新潟の花柳界を支える柳都振興(株)様は、若い芸妓を育てるために全国に先駆けて組織を会社化したことで有名な会社です。今では若手も育ち、現在7名の芸妓さんが活躍されています。取材に出てくださったのは小さなお顔と切れ長の目が美しいあおいさん。若手の芸妓「振り袖さん」として活躍されている入社4年目の芸妓さんです。

Beans:あおいさんが芸妓になろうと思ったきっかけは?
高校1年のときに、卒業したら進学ではなく、就職しようと決めていました。人に関わる仕事がしたかったので、最初はウエディングやホテルのお仕事をしようかと思っていたのですが、先輩の春花さんがたまたま母の友人の娘さんで、「お嬢さん、今度お披露目するんですって」と聞いて芸妓という職業があることを知り、「おもしろそうだなあ」と思ったのがきっかけです。

002_2.jpg

















あおいさん

Beans:失礼ですが、あおいさんは今おいくつですか?
22才になりました。高校の卒業式の翌日にここに入社したので、今年で4年目になりますね。

Beans:入社してからお披露目までどんなことを習うのですか?
まず踊りを一つ覚えないとお座敷に出られないので、わたしは「新潟小唄」という踊りを習いました。そして、正座の練習、かつらをかぶって正座する練習。また、お化粧の仕方などを習います。立ち居振る舞いは、おねえさん
たちが、料亭のお座敷を借りておしえてくれました。「おじぎはこうするのよ」「おしゃくはこうするのよ」というように。

Beans:着付けやお化粧などの支度はご自分でなさるんですか?
この仕事は何時間も立ったり座ったりと動く仕事なので、着崩れしないように着せてもらいます。けれどお化粧は自分の顔に合わせてするものなので、すべて自分でします。年を重ねるごとにお化粧の仕方が変わってきて面白いですよ。

Beans:このお仕事の面白さややりがいはどんなところですか?
人と人でつながっていくところだと思います。「今日は大切な接待のお座敷」「今日はお祝いのお座敷」等々、お座敷にはすべて目的があります。私たちの役目はその目的を理解して座を整え、雰囲気を良くすること、また、
お客様に和やかに帰っていただくことが仕事だと思っています。お座敷の後に「おかげで今日の接待、うまくいったよ」と褒めてくださるお客様もいて、そのようなお客様がまたお座敷に呼んでくださると本当にうれしいですね。「ああ、この仕事を続けていてよかった!」と思う瞬間です。

0012.jpg















新潟を代表する老舗料亭「鍋茶屋」前の小路。夕方になると、お座敷に向かう芸妓さんの艶やかな姿を見ることも。

Beans:楽しいこともあれば、苦労もあったと思いますが・・・。
そうですね。最初の挫折は「正座」でした(笑)。お稽古のときは、先輩のお姐さんたちが終わるまで2時間くらいずっと正座で待つんです。自分の番が来たときには足がしびれちゃって立てなくなってしまって。1年くらい苦しかったですね。足に正座だこができました。右足に1つ、左足は3つも。できる場所は一人ひとり違うんですよ。でも不思議と正座だこができるとしびれなくなります。クッションの変わりになってくれるんですね。

Beans:楽しかったことは?
先日新潟商工会議所のお仕事で博多へ行き、新潟の魅力をご紹介してきました。私は新潟が好きです。この仕事をしていると、見る人は芸妓である私を通して「新潟」に注目してくれる。それがとてもうれしいです。


Beans:あおいさんの一日の流れをおしえてください。
日によってスケジュールが違いますが、例えばお稽古がない日は15時半に出勤してお座敷前のごはんをいただき、16時半くらいからお化粧をして身支度を整え、18時頃からお座敷に向かいます。予約がない日でも急に依
頼が来ることもありますので、身支度を整えて21時半までここで待機しています。そのままお座敷がなければ22時半頃に帰宅します。お稽古や昼のお座敷があるときは朝からフル稼働です。

009_2.jpg>
















あおいさんのお仕事バッグの中を拝見!扇子や時計、あぶらとり紙などが入っています。一つ一つがとてもかわいい!

Beans:お稽古はどんなことを習うのですか?
私がいま習っているのはお茶と鳴り物(和楽器)、踊りです。お稽古がある日は朝8時半に起きて10時にお茶のお稽古に行き、昼のお座敷に出たあとに鳴り物のお稽古に行き、そのあと夜のお座敷に出かけることもありますね。

Beans:ハードスケジュールですねー。あおいさんのこれからの目標は?
いまはまだ修行中なので、お座敷を一つ一つ大切に整えることでしょうか。唄のお稽古も始めて、立派な「こしひかり」になりたいと思います。

Beans:「こしひかり」ですか???
はい(笑)。1年目はまだ粟にもなっていない「あわわ」、その次が「あわ」、少しうまくなると「ひえ」、そして一人前の芸妓が「こしひかり」という風に例えてお姐さんが命名してくれたのですが、さすがうまいことおっしゃるなあと思って。私は今「あわ」で、お稽古で失敗したりすると「あわわ」に戻ることも(笑)。今の目標は「目指せ、こしひかり!」です。

Beans:最後に新潟の働く女性たちにメッセージをお願いします。
働き過ぎはからだに毒ですよ。 みんなで古町で遊びましょう(笑)!


柳都振興株式会社 http://www.ryuto-shinko.co.jp/


-----------------------------------------------------------------------------
Beans佐藤の感想
あった瞬間に、ス・ス・ステキ(目がハート)
口があんぐりと開いてしまいました。
そしてお茶を出すときに手の平を上にしてそっとお茶碗を押して
私の手元に出してくれたんです!!
取材中のしぐさ、立ち振る舞い、話し言葉に考え方等々、
女性として見習わなければならないことが盛りだくさんでした。
いろんな古き良き伝統が廃れて行く中で、絶対に後世に残して生きたい新潟の伝統です。
ステキな職業、ステキな方でした。


Beans山岸の感想
芸妓さんにお会いするのは初めてで、緊張して伺った私たち。
あおいさんの親しみやすい人柄のおかげで、
いつの間にかゆったりとくつろぎながら会話していました。
新潟芸妓さんの魅力を「きちんと稽古された芸と親しみやすさ」と
表現した人がいましたが、
人をくつろがせる話運びと親しみやすさは本当に素敵です。
「新潟っていいところだなあ」と改めて思った一日でした。

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

・先日はじめて振袖さんの舞を拝見しました。
 えのいえない和んだ空気と
 可憐な立ち振るまいにぞっこんです。

  •  おやじ見習い
  • 2009年3月 3日 17:50

メッセージありがとうございます。
本当に、あの和んだ空気は言葉にできない
心地よさですよね。
立ち居振る舞いの美しさにもうっとりしてしまいました。


  •  yamagishi
  • 2009年3月 6日 14:56

(Beans Voice(ビーンズボイス)株式会社北都 にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

コメントフォーム