国母問題について(長文)



スノーボードのオリンピック代表国母がたたかれている。

ご存じの通り僕は99年から02年のソルトレイクオリンピックまでスノーボードチームのコーチをしていました。
コーチ時代のいろいろな問題はあまり公にしたこと無いのですが、ここへ来て国母の服装問題で思うところあり書いてみることにしました。

オリンピック選手になると言うことは?
一般人から見たらオリンピック選手は日本の代表で、日本をしょって立つ立場と考えがちだけれど。
別に日本政府が、または全日本スキー連盟が、または日本オリンピック委員会、が選手に出場権を与えている訳じゃない。
FIS(国際スキー連盟)公認の大会でこつこつと成績を上げ、出場権を勝ち取るのです。
「はい、日本は3人まで出場できますよ。お国で代表の人決めてね」というのではありません。
オリンピックのレベルに達している選手にだけ出場権が与えられるのです。世界のレベルに達している選手がいなければ日本代表を送り出すことさえできません。選手が出ていない国があるのはそのせいです。
もちろんルールがありますからそのルールに則らなければなりません。その中には全日本スキー連盟の選手としての登録も必要ですしそうでないと国際スキー連盟の公認大会に出ることもできません。
選手の立場からみたらオリンピックは、ただ世界で最高の大会にすぎないのです。最高の大会で自分の納得いく競技がしたいというのが彼らの本音です。だれも日本をしょって立つなどと考えていません。

スノーボードという競技はとても特殊です。
アルペンとハーフパイプ、スノーボードクロスと三種類の競技がオリンピック種目となっていますが
アルペンとハーフパイプでは競技者のマインドも全く違います。
ハーフパイプの選手は勝つためよりもいかに自分のスタイルが思うとおり決められて観衆を沸かすことができるかが大事なのです。そしてその結果優勝できればなお良い。そういうマインドの選手が多いと僕は思っています。

選手のマインドだけじゃなく競技団体もFIS(国際スキー連盟)とWSF(国際スノーボード連盟)と大きく二つに別れ、さらにXGAMEに代表される非公認の高額賞金のイベントもいろいろあり、競技レベルやルールもそれぞれに異なり非常に複雑です。
どの団体に所属していても選手はほぼ100%プロのスノーボーダーです。しかし日本でオリンピック選手になるには全日本スキー連盟に選手登録をしてFIS公認の大会を優先的に出場しなくてはなりません。プロとしての活動が全日本スキー連盟の選手登録をすることでかなり制限されてしまいます。全日本の選手として海外遠征中に現地で大きなプロの大会があったとしても、出場は不可能です。

オリンピック出場にからむFISのワールドカップが競技レベルで最高のものかというと残念ながらそうではありません。
問題点はスノーボードの強豪がそろうアメリカはこういった垣根無く選手にとって(賞金額も含めて)最良のイベントを選択して出場してくるという点です。アメリカ選手はFISのワールドカップには出場権を得るための最低限の出場をしてさっさと出場権を勝ち取りあとは高額賞金のイベントに出るのです。日本の選手たちに強いアメリカの選手と常に同じ舞台で戦わせて競わせたくても全日本スキー連盟や日本オリンピック委員会の意向で不可能なのです。

いくつ競技団体があろうとも日本の選手にとってもアメリカの選手にとってもオリンピックはやはり世界最高の舞台です。その舞台で表彰台に立つためにやるべきことは日本とアメリカではずいぶん違うようです。

僕自身がコーチだった時代に現時点で最高といわれるアメリカの選手がFISのワールドカップには出場せず高額賞金のイベントにばかり出てしまい、どうしても自分の選手をそういうレベルの高いところで競技させたくて、選手はプライベートで大会出場、コーチは視察を目的で予算を取りプロの大会に行かせてくれと全日本スキー連盟のスノーボード担当理事に掛け合ったことがありましたが、日本オリンピック委員会から補助金をいただいている関係でそんなことは全く無理だと一蹴されたことがありました。

ソルトレイク代表になった宮脇君は、他のプロの友人が高額賞金の大会にばんばん出て雑誌を賑わせているのに、自分は目立たないFISのワールドカップをスケジュールに縛られながら転戦して、もういやだ、オリンピックなんてどうでも良い、プロの大会の方でやっていきたいと嘆いていたことがありました。
そんなとき僕は、
「スノーボードの雑誌を賑わせてもそれだけだぞ。オリンピックにでたら近所の八百屋のおばちゃんだっておまえのことを知ってくれるぞ、そのぐらいオリンピックの影響力は大きいぞ、絶対におまえの将来に繋がるぞ、プロの大会で賞金稼ぐのはオリンピック終わってからにしろ」
と説得しました。

今回の国母君の服装問題と似たようなことがソルトレイクオリンピックの時にもおきました。
僕の目から見ても今までで最高の滑りをした中井君の得点がいまいちで、メダルの期待があったのですが、アメリカに金銀銅を持って行かれ5位入賞で終わりました。当時高校生で元々シャイな中井君、このときの得点は本人にも納得いかずふてくされモードで宿舎に帰りたいと僕に訴えました。競技が終わった選手は記者団のうじゃうじゃいるジグザグの通路を通り取材を受け、それから選手控え室に戻るというのが通常です。が、かなり落ち込んでいるので僕が彼をガードしてすべての記者を退け、控え室に戻らず車を出して宿舎に戻りました。
宿舎では自室に帰らず誰とも話をせずただコーチ部屋のソファーに膝を抱えて座っておりました。

中井君に取材を受けるように伝えてくれとの担当理事から電話がかかり、中井君に話すと、いまはそっとしておいてほしいと。その気持ちはすごくよく分かり、取材拒否の旨を担当理事に伝えました。
すると夕刻担当理事がコーチ部屋に来て直接説得。「取材を受けることも選手の仕事だ」とか、「誰のおかげでここにこれたのか」とか最後は「俺に恥をかかせるのか」などなど、、、、、中井君は沈黙。スタッフも全員何も言わず。僕だけ「理事、今日は勘弁してやってください」と、すると理事は「よしわかった」と部屋を立ち去りました。

その後コーチ全員理事の部屋に集合との連絡が来て部屋に行くと
「おまえらは選手に何を指導しているのか」「俺がどれだけ頭を下げて金をかき集めてここに来させてやっているのに恥をかかせやがって」とコーチ全員の前でしたが唯一口答えをした僕に対しての叱責でした。
解散の時に、「今晩、打ち上げ行くぞ」と、そして「古川、おまえは来ないよな」と、、、、
そのとき僕は、ああこれでクビだなあと直感しました。

僕は、その後中井君にどうしても今日の結果を納得してもらいたくジャッジに話を聞こうと、一人だけいる日本人のジャッジに連絡を取り夕食の約束を取り付け、いやがる中井君と友人の村上君をつれてチームの車でジャッジの泊まるホテルへ。ちょうどそこに全日本の技術員会の委員長もいたので(中井君が信頼していた数少ない大人)同席してもらいソルトレイク市内のレストランに行きました。
ジャッジは今日の採点を細かく中井君に説明してくれ、深夜の三時デニーズでコーヒーを飲む頃には今日の滑りの問題点を納得して理解してくれました。

ソルトレイクから帰国後、経費の精算をしに全日本スキー連盟に行き、次の大会、札幌でのワールドカップの書類と経費を預かっていこうとしたら書類に僕の名がありません。事務局の人もおかしいなあと。
そうなんです。クビにするのも面と向かって言わず書類上で名が消えていくのです。

大会終了後、勝てなかった選手はお偉いさんたちにとってはもうゴミです。だれもシャイな高校生の競技後の気持ちなど考えない。だれもそれをケアしようとしない。日本のスポーツの世界なんてこんな程度です。世の中が変化しスポーツの世界も変化しているのに、いまだにアマチュアリズムやスポーツマン精神、たてまえや、お偉いさんのメンツの方が一競技者より優先されます。まだ若い一選手に日本というものを背負わせるのは重すぎると思います。スポーツマン精神は競技者のなかから生まれるものなのにいつのまにか一般大衆の価値観で決められてしまっているようです。
国母君の服装のみだれって何処が基準なんでしょうか?ユニフォームの日の丸をはぎ取った訳じゃないし、一個人の価値観を押しつけすぎ何じゃないでしょうか?
世界の頂点に立てるような選手に普通の価値観を押しつける方が無理ってものです。
※日本選手団公式服装着用規定「(着用の規定) 2条 日本選手団に認定された者は、自覚と誇りを持って公式服装を着用しなければならない」

僕がナショナルチームから去った頃に国母君の活躍が目立ってきました。当時はちっちゃいのにずいぶん飛ぶなあという印象でした。
直接話をしたこともありませんが、
犯罪を犯した訳じゃないし、競技とは直接関係ない服装規定なるルールやくだらないお偉方のメンツなど適当にいなして自分のスタイルのすばらしい演技をしてもらいたいと思います。

オリンピックで本当にメダルを取るには競技者の努力だけでなく運営する団体側にも変えていかなければならない事柄があると思います。

意味のないアマチュアリズムを消し去る。現代の勝利には金がかかります、お偉いさん方は金だけ出して口出しせず若い人たちの活躍をにこにこ見守っていればよいのです。そして団体間の垣根をとる(ほとんどお偉いさんのメンツだけなのでこれらを無くすまたは我慢すればよいのです)
どこから補助金が出ていようとも選手にとって最良のイベントに参加させ最高レベルの選手同士で競わせる
日本にかけているのはこれらの点だと思います。

実名を出してしまった中井君、宮脇君、村上君、国母君へ、それぞれの道でがんばって活躍してもらいたい。
僕は彼らのスタイルが大好きです。

余談。
ソルトレイク後クビになった僕はみんなの顔が見たくて大会運営側のスタッフとして札幌の大会に行きました。
仲良くしていたスウェーデンチームのコーチといろいろ話したのですが
「ソルトレイク終わってスウェーデンに帰ってから日本に来たの?」
「いや、スノーボードのイベントのあと、ずっとソルトレイクにいてオリンピックを堪能して閉会式も出たよ。」
「ええ!いいなあ!僕らは予算がないからとイベント翌日、エコノミークラスで帰国したよ。」
「閉会式後はロサンゼルスで遊んで、そのあとワイキキで遊んでそれから札幌入りしたんだよ。」
「おまえら金持ちだなあ」
「いやいや、スウェーデンオリンピック委員会のスポンサーのボルボがご褒美に全額出してくれたよ。」
「へえすごいなあ。僕らは全日本のスポンサーのANAに乗れず、日本オリンピック委員会のメインキャリアJALのエコノミーにすし詰めで帰ってきたよ。ANAだったらがんばった選手ぐらいビジネスにしてくれただろうになあ。」





Posted: 金 - 2月 12, 2010 at 02:48 午後            
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美容室




9:30~16:30
予約制 月曜定休

住所
〒249-0006
神奈川県逗子市逗子1-11-15
ランテルナロッサ2階

ご予約は
050-7572-9777
046-872-2045(ランテルナロッサ)
またはEメールで
riccio@kde.biglobe.ne.jp
スパム防止のため@は全角になっています

基本料金
カット    ¥4500
パーマ    ¥9500
ストレート  ¥10000

COLOR
アルカリ   ¥6500
マニキュア  ¥6500
ヘナ     ¥6500

(シャンプー・スタイリング込み ロング別)

美容室リッチョはスタイリスト1名の小さな美容室です。
基本的にお一人ずつ施術、お客様の時間を大切にしております。
他の方を気にすることなくリラックスしていただきたいと考えております。
お子様連れのお客様も隣にお子様を座らせて施術可能です。もちろんベビーカーもOK。

お客様をお待たせしないためにも予約をお願いします。

スタイリスト 
古川 民恵(TamiTami)

 

 

Lanternarossa
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〒249-0006
神奈川県逗子市逗子1-11-15
046-872-2045
lanternarossa@mac.com

店主
古川 元幸(dorichan)

ビーチカレー 水〜土 12:00~14:30
日・月・火曜 定休

ワインバー  火〜日 18:00~01:30
月曜 定休
日曜日は22:30まで

トスカーナ地方専門ワインバー

ランテルナロッサの原点はフィレンツェのトリッパ屋台(トリッパイオ)です。
仕事帰りにちょっと一杯トリッパをつまみにワインを引っかけてお家に帰ります。そんな屋台のトリッパを美味しいワインで飲みたい!
それがランテルナロッサの始まりです。
ランテルナロッサは直訳すればイタリア語で"赤ちょうちん"
日本の赤ちょうちんの手軽さで、おいしいワインを楽しんで頂きたくこの名前を付けました。

ランテルナロッサはテスティングしない、お注ぎしない、グラスを変えない、デキャンテしない。
めんどくさいことは何もしません。かっこつけずに気軽に美味しいワインを楽しんでいただきたい。
仕事の愚痴話は禁止です。お勧めドレスコードはノータイ・ノージャケットです。
かっこつけずにおいしいワイン!これがランテルナロッサのスタイルです。

当店ではトスカーナ州、モンタルチーノ、モンテプルチアーノ、スカンサーノ、ボルゲリなどを中心にお楽しみ頂いております。
トスカーナには有名なキャンティもありますが、本当に美味しいもののみ取り扱っております。
種類はさほど多くありませんが、 店主自身が気に入ったワインのみ厳選して仕入れております。

すべてのワインをグラスでお楽しみいただけます。
トリッパはもちろんピエンツァのペコリーノチーズなどワインが美味しくなるおつまみもいろいろ用意しております。

どうぞご贔屓に   店主


NEWS
lr(エルアール)という小冊子を作り始めました。1~2ヶ月に一つ作っていきます。
左から右まで広い幅で面白い話題を探してお知らせしようとlr(エルアール)という名前にしました。
店主の身近な出来事、趣味、グルメ、お店のインフォメーションなどいろいろ書いていきます。
ランテルナロッサ、鎌倉材木座湘南ワインセラー鎌倉御成ドゥミルドゥでお配りしております。
すいません現在ちょっとさぼっています。(2009年春)

掲載誌
湘南スタイル(別冊)湘南のいい店、使える店
HANAKO No.922 2008年5月8日号
湘南スタイル(別冊)湘南で暮らす本
京急線普通電車の旅Vol.2
月刊アテス9月号
湘南スタイル(別冊)湘南レストラン&カフェ・バーコンプリートガイド
Cafe&Restaurant 2007/01
湘南生活 vol.2
湘南スタイル(別冊)カフェ+バー100大幅改訂版
湘南スタイル(別冊)湘南エリアガイド
HANAKO No.809 2004年11/3号 この町に住みたい!
湘南スタイル(別冊)レストラン100、
湘南スタイル(別冊) カフェ&バー100
HANAKO No.784 2004年4/28号

ラジオ
2003年5月12日、地元の湘南ビーチFMに出演しました。
その時の模様はMP3データでこちらにあります。データは約3.2メガあります。
2004年5月30日、地元の湘南ビーチFM「SHONAN BREEZE 鈴木英人の湘南キュィジーヌ」にて紹介されました。
当店で録音したものを編集放送されました。MP3データはこちらです。データは5.68メガあります。

コペルト(チャージ)
2007年11月より廃止しましたが
バータイムのカフェ利用、お食事のみのお客様にはお一人様600円いただいております。

予約について
当店は予約可能です。特に土曜日はご予約をお勧めします。

グループのお客様へ
当店は6名以上でのご利用の場合、貸し切りをお願いしております。
ですが初めてのお客様で6名以上の場合ご利用をお断りする場合があります。
もともとグループ向きのメニュー構成やテーブル配置がございません。
まずはお一人、お二人でご利用いただき、当店の内容を知っていただいたのち
貸し切りをご利用ください。

お子様連れのお客様へのガイドライン
店主は子連れでイタリアを旅してどんなタイプのお店でも断られたりいやがられたりしたことがありません。
でも大人の場所、子供のいるべきでない場所は考えて連れて行きました。
当店はイタリアのようにお子様連れをお断りすることはありませんが
バーという大人の場所である点をお考え頂き、お子様連れの場合なるべく早い時間でのご利用をおねがいします。
お子様向けのメニュー、食器等の用意はございません。

喫煙について
当店は禁煙とさせていただいております。屋外に椅子と灰皿は用意しておりますが雨天の場合はご勘弁ください。

ブロガーの皆さんへ
ブログで紹介してくださるのはうれしいのですが、無許可の掲載はお断りしております。
ブログ掲載のための写真撮影等は一言お声をおかけください。web上ではハンドルネームでも結構ですが、氏名、連絡先、ブログのURLをお知らせください。

その他
当店では光通信をベースにした高速無線LANがご利用になれます。無線ネットワークカードとノートパソコンをお持ち頂ければ自由にインターネットをご利用頂けます。ノートパソコンをお持ちでない方には当店のパソコンを自由にお使い頂けます。

元海外旅行添乗員の店主がお客様のご旅行のご相談にのります。イタリアワイン巡りツアーも企画しております。

音について
当店は客席用のスピーカーを用意しておりません。お客様用のBGMも流しておりません。店主および従業員の労働環境向上のための音楽のみ流しております。
オープンキッチンのためキッチンのノイズおよび従業員用の音楽が耳障りかもしれませんがなにぶん小さなお店なのでご理解をお願いします。

 

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周辺地図
ごめんなさい、駐車場はありません。

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Published On: 2月 12, 2010 07:15 午後
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