中国の不動産市場過熱、1980年代の日本再現か(上)

昨年から中国の不動産市場が過熱傾向を示し、資産バブルに対する懸念が高まっている。一部では「中国政府が直ちに措置を講じなければ、80年代の日本と同じ道をたどる」という警告も示されている。中国・広州市の不動産代理店の前で、従業員が顧客の相談を受けている。/写真=朝鮮日報データベース

 世界的な金融危機の中でも独走を続ける中国に対し、1980年代の日本のバブル経済と同じ道をたどるのではないかとの警告が相次いで示されている。米国、日本、欧州がマイナス成長に転落する中、中国が8.7%の高成長という「偉業」を成し遂げたことを「バブル」ととらえる見方だ。

 仏BNPパリバは昨年末、「中国が80年代末の日本の資産バブル期と同じ境遇に差し掛かっている」と警告した。日本の野村証券も、「中国は日本を反面教師とすべきだ」と指摘した。また、米エンロンの粉飾決算による破たんを最初に予測したジェームズ・チャノス氏は、「中国の不動産バブルはドバイよりも1000倍以上深刻だ」と批判した。日本を追い抜き、今や世界2位の経済大国の座を手に入れようとしている中国は、果たして日本と同じてつを踏むことになるのか。

■住宅価格急騰、融資が増加―過剰投資に共通点

 巨額の貿易黒字と外貨準備高→プラザ合意による円高→金利低下→流動性増加→不動産と株価が3倍に急騰→バブル崩壊→失われた10年。1985年から90年にかけ、日本が歩んだ道のりを振り返ると、確かに現在の中国と似ている点が多い。中でも現在、中国政府が最も深刻だと考えているのは、融資増加と不動産バブルだ。昨年の全国70都市における住宅価格の平均上昇率は8%で特に問題はないように見えるが、北京、上海、深センなど大都市では、1年間で住宅価格が50-100%も急騰する地域が続出した。

 不動産価格の高騰は、金融危機後の景気対策で巨額の資金を市中に供給したことによる後遺症だ。大信証券によると、金利引き下げや融資規制緩和などで、昨年の中国の新規融資は9兆6000億元(約125兆円)に達し、前年(4兆1000億元)の2倍以上に増えた。通貨供給量(マネーサプライ・M2)も13兆1000億元(約171兆円)増えた。通貨供給量の増加ペースは国内総生産(GDP)の成長率をはるかに上回っている。09年の名目GDP成長率と流動性増加率の差は15.5ポイントで、バブル経済当時の日本の4ポイントを大幅に上回っている。

 80年代の日本と現在の中国の二つ目の共通点は不良債権問題だ。緩い規制で不動産投資者に気前よく融資を行った日本の銀行は、不動産価格の暴落で巨額の不良債権を抱えた。中国の場合、政府債務はGDPの20%程度にすぎない。しかし、地方政府や国有銀行など公共部門の債務を合計すると、債務規模はGDPの最大150%に達するとの分析もある。バブル崩壊直前の日本の200%には及ばないものの、安心することはできない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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