知る×つながる=動きだす カナロコ 神奈川発コミュニティーサイト

ログイン

新規登録

  • お問い合わせ
  • たびたびある質問
  • サイトマップ

在留資格での職員採用試験の受験制限、外国籍の子どもたちを支援する関係者から危惧の声

2010年2月12日

 ソーシャルブックマーク  (ソーシャルブックマークとは)

この記事のコメントを見る

 地方公務員の採用試験で、在留資格によって設けられた受験制限。外国人採用を認めてこなかった国籍条項が撤廃されて10年余がたつが、在留資格が新たな壁となっている格好だ。外国籍の子どもたちを支援する関係者からは「国際化が進む地域の現実に即していない。このままでは『第二の国籍条項』になってしまう」と危惧(きぐ)する声が上がる。

 夕暮れ時、学校帰りの子どもたちの弾むような声が響く。中国、フィリピン、タイ、ウクライナ、ロシアと国籍はさまざま。横浜市南区にある「信愛塾」は、在日外国人の子どもの学習支援を行っているNPO法人だ。

 約30年前、地域や学校で孤立しがちな在日コリアンを支える場として始まり、今ではニューカマーの子どもたちが中心だ。県民約900万8千人のうち、外国籍は約17万5千人。県民50人に1人が外国籍の計算だ。中国、フィリピン国籍の増加が目立ち、塾の日常はその縮図。事務局長を務める大石文雄さんは「この子たちもあと数年で就職を迎える。定住化も進み、やがて公務員として働きたいという若者も出てくるはず」と見通す。

 そこに立ちはだかる在留資格による受験制限の壁。脳裏で結び付く記憶がある。

 在日コリアンの権利向上を求め、外国人の地方公務員就労に道を閉ざす国籍条項の撤廃運動が広がったのは1990年代後半のこと。大石さんは市民団体の代表として、その先頭に立ってきた。

 「在日は公務員になれない」という壁が、どれだけ日本人と机を隣にした在日の若者の可能性を摘み、劣等感を刻み付けてきたか。その裏返しとして、どれだけ日本社会の差別意識を助長し、国際化を妨げてきたか―。

 その目に、在留資格による制限は「第二の国籍条項」に映る。

 民間企業では、留学生を中心に外国人を積極的に採用する動きが進む。大手コンビニのローソンでは昨年採用した正社員約120人のうち、3分の1が外国籍。「期待しているのは多様性。日本人だけでは出てこない新しい発想を求めている」。いずれも将来、管理職や役員になる人材としての位置付けだ。

 一方で変わらぬ役所の閉鎖性、外国人を地域を構成する市民として見ることができない認識の低さ。

 午後6時半、勉強を終えたスリランカ国籍の女の子が目を輝かせた。「受験まであと少し。頑張ります」。両親と来日して1年だが、母国語と日本語を使いこなす聡明(そうめい)で利発な中学3年生。大石さんは思いを新たにする。「今後はこうした多言語、多文化を備えた子どもたちが必要とされ、社会を担っていく。役所の人たちにはこの現実を知ってほしい」


神奈川新聞の関連記事


この記事へのコメント

nekopon [2010/2/12 13:21]  編集する
「国籍条項」を撤廃させたことに味をしめて、今度は「在留資格による制限」までも撤廃させようとしているわけですか。際限がないですね。地方公務員であっても、それはあくまでも日本国内にある自治体の職員であります。直ちに国籍条項を復活させることが本来であって、更なる“門戸開放”など冗談ではありません。記事中の大石氏は外国人に日本の主権を委譲することをもって「国際化」と勘違いしているのではないでしょうか?
こういうのを見ていると、今話題の「永住外国人地方参政権」とやらも、一度成立を許せば「永住権がなくても参政権をよこせ」と要求がエスカレートするのは確実でしょう。冗談ではありません。
コージータハラ [2010/2/12 19:53]  編集する
神奈川新聞のとんでもない偏向ぶりに呆れて声も出ない。政府の統治権の問題そのものである。外国人が外国人のままで公務員になれる事を認めてはならない。絶対に許されない。特に、任意に国籍を取得できる立場なのにそれを拒絶し、自ら外国人であり続ける在日中国人や在日朝鮮人を、統治権を行使する立場の公務員に採用するなど、国家を滅ぼす行為に等しい。今すぐに馬鹿げた報道姿勢を改めるべきである。

この記事へコメントする

コメントを投稿するにはログインが必要です。

これまでも これからも 神奈川新聞社創業120周年

ご愛読者プレゼントキャンペーン

神奈川新聞 購読のお申し込み   神奈川新聞 試読のお申し込み

企画特集【PR】