似ているようで違う、韓中日の漢字文化

【新刊】李相哲著、イ・ドンジュ訳『韓・中・日の漢字文化、どこへ行くのか』(深い青)

 まず目を引くのは、著者の経歴だ。族譜によると、著者は「月城李氏」で、慶尚北道迎日郡杞渓面(現在の浦項市杞渓面)の出身。著者の父親は1913年に生まれ、30年代に満州へ渡った。著者は59年に中国で生まれ、北京の中央民族大を卒業した後、87年に渡日、新聞学の博士号を取得した。現在は日本国籍を取得し、李相哲(り・そうてつ)という姓名を名乗っている。

 「中国人でも日本人でも韓国人でもないアイデンティティー」を持つ著者は、韓・中・日の3国が漢字文化圏という共通分母を持ちつつも、それぞれ独特の文化を保有していると語る。例えば家を建てる際、中国人はまず塀を作り、日本人は道を作り、韓国人は飲んで歌って宴会を開くという。言語や親族呼称、宗教儀式などを通じ、3国の文化的な違いを興味深く説明している。

 韓国が中国の影響を受けながら独自の文化を形成することができたのは、ハングルという文字と言語があったおかげで、20世紀以降、韓国が飛躍的に発展した理由も、ハングルが全面的に普及したため-と分析している点も、示唆するところが大きい。

李漢洙(イ・ハンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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