韓国に受け継がれる「ソンビ精神」(上)
『韓国ソンビ知性史』を著した韓永愚(ハン・ヨンウ)教授
「ソンビ」は文武両道の指導者を表す古くからの言葉
最初のソンビは朝鮮の始祖神「檀君(だんくん)」
「ソンビ精神」は古いものを守りつつ、新しいものを取り入れるという精神と、公益・共生・疎通を追求する開かれた文化を含む
「韓国人は、多くの外敵の侵入や植民地支配の混乱を克服し、今や世界の一流国家をしのぐほどの成長を見せているが、その原動力はどこから生みだされたのだろうか」
韓国歴史学の大家で、梨花女子大学の韓永愚(ハン・ヨンウ)碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動が行えるよう大学の指定を受けた教授)は50年近くもの間、朝鮮時代をはじめとする韓国史を研究する中で、いつもこのような疑問を抱いてきた。韓教授が執筆し、9日に出版された『韓国のソンビ知性史』(知識産業社)は、韓教授自身の長い間の疑問に対する答えになるだろう。この本で、韓教授は紀元前の古朝鮮時代から現在まで、韓国を導いてきた伝統思想が「ソンビ(学者、学識高く謙虚な人格者)精神」だということを解き明かした。
韓教授は「韓国人の文化的DNAで、伝統的な共同体精神が、ソンビ精神であり、ソンビ文化だ」と主張している。ここでいう「ソンビ」とは、一般的に知られている朝鮮時代の儒学者だけを指すのではなく、韓国史を導いてきた知識人全体を指す。古代のシャーマニズムから出発した「ソンビ」という語は古朝鮮から伝わる固有語であり、これを漢字に直すと「仙人」「先人」と記述するが、「ソンビ」と「仙人」は同じ言葉だという。高麗時代に新羅・百済・高句麗の歴史を記した『三国史記』は、朝鮮の始祖神である檀君を「仙人」と呼んでおり、檀君が韓国で最初のソンビということになるだろう。
「16世紀の『千字文』を見ると、「士」を「道士」と翻訳している場合が見られる。古代の『ソンビ』が道士と似た性格を持っていたからだ。『儒』『仏』『巫(ふ)』が統合された実態が『ソンビ』。朝鮮時代の儒学者だけをソンビとして扱うことが多いが、それならば、新羅の名将・キム・ユシンや高麗の名将・姜邯賛(カン・ガムチャン)、高麗初期に政治や外交に携わった徐熙(ソ・ヒ)など、朝鮮時代以外の知識人はどのように位置づければいいのか」
- 梨花女子大学の韓永愚(ハン・ヨンウ)碩座教授は、「共同体精神不足が政治問題や労使問題、社会問題などを必要以上に大きくする。この問題を解決するためには、すべての人の幸せを追求するソンビ精神が役立つだろう」と話している。/写真=崔淳湖(チェ・スンホ)記者
- 韓国に受け継がれる「ソンビ精神」(下) 2010/02/14 09:16:32
- 親日派:知識人の内面を解明した朴枝香教授(下) 2010/02/14 10:59:45
- 親日派:知識人の内面を解明した朴枝香教授(上)
2010/02/14 10:59:41
- 韓国に受け継がれる「ソンビ精神」(下) 2010/02/14 09:16:32
- 韓国に受け継がれる「ソンビ精神」(上)
2010/02/14 09:16:27
- 似ているようで違う、韓中日の漢字文化
2010/02/14 01:46:59
- 毎日新聞記者が見た死の現場とは
2010/02/14 01:45:32
- 「朝鮮は滅びても歴史はなくならない」 2010/02/14 01:42:06
- 妹尾河童氏が見たさまざまな仕事場風景
2010/02/14 01:40:38
- 東京オリンピックが人質に!? 2010/02/14 01:37:44
- 二人の委員長が存在する文化芸術委、混乱続く(下) 2010/02/09 13:56:49