【コラム】事件よりもあきれるネット上のコメント(下)
低レベルなコメントが相次ぐのは、米国でも同じだ。ニューヨーク・タイムズ紙のウェブサイトは、寄せられるコメントを、厳格な基準に従って選別し掲載している。コメントを書き込んだほかの人を非難するコメントはいうまでもなく、論点から外れたコメントもアウトだ。必要以上に感情的なコメントも受け付けない。こうした基準に従って、自動的にチェックするソフトウェアがあるわけではなく、ウェブサイトの管理者がすべてのコメントに目を通している。このため、コメントが掲載される記事は一日に5-6本しかない。
米国の多くの学校では、先月25-29日に「悪口を言わない週間」と題したキャンペーンを実施した。通信設備会社「シスコ」の後援で、2004年から実施されているこのキャンペーンは、オンライン・オフラインを問わず、人種や性的趣向、考え方などが自分と違うという理由だけで悪口を言うことがないよう、子どものうちから教育を徹底しよう、という趣旨だ。
だが、1週間のキャンペーンだけで問題が解決するわけではなく、また子どもたちだけの問題でもない。昨年9月現在、韓国のポータルサイト「ネイト」と、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「サイワールド」で悪口を書き込んだユーザーの平均年齢は25.7歳だった。06年、ある進歩派の女性運動家の息子が事故死したとき、インターネット上で悪口を書き込んだユーザーは、検察の捜査の結果、大部分が会社に勤める30-50代の男性だったことが分かった。
慶州の「女子高生キム・ウンビ」を批判・非難するコメントは100件余りに達した。その中には、医学部の学生を名乗る人物が今月5日早朝に書き込んだ5件のコメントも含まれていた。08年にボランティアで「キム・ウンビ」の指導をしたというこの人物は、「キム・ウンビさんは不平不満を言わず、大量の宿題をこなし、“医者になりたい”と言って一生懸命勉強し、驚くほど成績も上がった。彼女の取った行動は、もしかしたら、どうしようもない環境によるものではなかったのではないか」と綴った。一人の人間が、低レベルなコメントに傷つくことなく耐える方法は、ただ無視するということ以外にない。しかし、インターネット上での悪口や誹謗・中傷を、社会がそのまま放置することは、あってはならないことだ。
イ・チョルミン記者(デジタルニュース部長)
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