なまはげ「原点回帰を」　秋田・男鹿市、セクハラで協議

　秋田県男鹿市の男鹿温泉郷の旅館で、昨年大みそかに起きたなまはげに扮（ふん）する男性による女湯乱入とセクハラ問題で、同市は２９日、今後のなまはげ行事のあり方について協議した。なまはげの暴れ方などの統一されたマニュアルは作成せず、各実施地区で伝統の見直しを図ることでまとまった。

　協議には、市からは伊藤正孝副市長のほか関係各課の課長、また、同温泉郷協同組合の関係者や真山なまはげ伝承会、男鹿の各地区の振興会長らが出席。

　出席者からは「伝統行事の本物のなまはげを打ち合わせもせず旅館で見せ物にしたことが問題」「少子高齢化でなまはげの意味を理解しない者が参加している」など不祥事の背景を指摘する意見が相次いだ。

　だが、市が問題発覚時に示唆した“暴れ方マニュアル”については賛成意見は少なく、「なまはげ自体が下火になる」として「各地区で伝統の原点に回帰する」ことで協議は終了。市が資料提供などでバックアップすることが決まった。

　一方、協議では、不祥事を起こした東京都の男性会社員（２０）から同温泉郷協同組合に届いた「伝統行事にも傷を付けて申し訳ありません」などとする謝罪文も読み上げられた。