「救急車に道を譲るよう、法律で義務付けを」

消防防災庁が検討へ

 緊急出動した救急車に道を譲る車が極めて少なく、助かる命も助からない、という指摘が出ていることから、消防防災庁は、緊急自動車に道を譲ることを法律で義務付ける案を検討することを決めた。

 消防防災庁の朴演守(パク・ヨンス)長官は12日、「関連省庁に対し、緊急自動車に道を譲ることを法律で義務付けることを検討するよう指示した。タスクフォース(特別作業班)を設置し、外国の事例を調査した上で、今年中に関連法を制定できるよう取り組んでいく」と述べた。

 諸外国の例を見ると、消防車や救急車などの緊急自動車が出動する際、一般車両は道を譲るよう義務化している国が多い。カナダでは、緊急自動車に道を譲らない場合、380-490カナダ・ドル(約3万3000-4万2000円)の罰金を科せられる。また、ロシアでも同じく2000-2500ルーブル(約6000-7500円)の罰金を科している。ドイツでは緊急自動車が通る場合、すぐにスペースを設けるよう義務化しており、また米国では緊急自動車が通る際、道路の端に停車することになっている。

 消防防災庁は、救急車に道を譲ることを義務化する場合、国民の同意が欠かせない、と考えている。朴長官は「消防車が出動する際も、一般車両は道を譲らなければならないということに異論の余地はないが、救急車の場合、一部の民間業者や警備会社の救急車も、必要以上にサイレンを鳴らして走行するため、国民は「本当に救急患者を運んでいるのか」という疑念を持っているようだ。これを払しょくするための方策について、十分に検討し、国民の同意を経て、法制化を図っていきたい」と説明した。

金成謨(キム・ソンモ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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