グアテマラの韓国人殺害、韓国人の犯行

 中米グアテマラで韓国人男性(56)が殺害された事件は、現地在住の韓国人が金目当てで犯行に及んだことが明るみに出た。容疑者のうち1人は売春あっせん容疑でグアテマラから追放されたものの、再入国していたことが分かった。

 同国紙プレンザ・リブレなどは11日、韓国人2人、グアテマラの情報将校1人、現職警察官3人が誘拐殺人の疑いで逮捕され、警察は逃走中の警察官1人の行方を追っていると報じた。

 殺害された男性は、先月18日に拉致され、今月3日に首都グアテマラ市の西40キロの山間部で遺体で発見された。

 現地メディアによると、韓国人容疑者は35歳と38歳の男で、違法カジノを経営しているという。殺害された男性は現地で縫製業で成功した資産家で、拉致前日に違法カジノで2万5000ドルの利益を上げたとされる。

 現地在住の韓国人によると、韓国人容疑者2人はグアテマラ市内で韓国人相手の違法カジノを経営し、賭博資金の貸し付けも行っていた。うち1人は2003年10月に韓国から風俗嬢をグアテマラに連れてきた上で、違法売春を行うなどしたため、韓国大使館の要請でグアテマラ政府により強制追放されたが、05年に再入国していた。現地在住の韓国人は「どうやって戻ってきたのか分からない」と話している。

 韓国の外交通商部によると、海外で追放措置を受けた場合、通常は3年間は旅券が発給されないが、同容疑者は父親が体に障害を持つことや生活困難を理由に旅券発給禁止期間を1年間短縮することが認められていた。しかし、グアテマラ当局のブラックリストからどうやって除外されたかも疑問だという。

 現地メディアは「2人はカジノから被害者に関する情報を入手し、情報将校と警察を使って拉致に及んだ」と伝えた。容疑者らは軍の情報将校から捜査情報を入手し、現職警察官を使って捜査を混乱させていたとみられる。殺害された男性は携帯電話からの最後の連絡で「警察に拉致された」と話していた。

 容疑者らは150万ドル(約1億3500万円)という法外な身代金を家族に要求し、交渉が決裂した後に殺害された。現地在住韓国人は「被害者はインドネシアに工場を建設するため、150万ドルの投資資金を確保していたが、犯人らはそれを知っていたようだ」と語った。

サンティアゴ(チリ)=趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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