ルポ:グアテマラの輸出の10%を担う1万人の韓国人(上)

 「500年前のスペイン軍以降、グアテマラに最も多く移住した外国人は韓国人です」(グアテマラ「天使の家」のホン・スンイ神父)

 世界で最も治安が悪い国の一つに挙げられるグアテマラでも、韓国人は特有のバイタリティーで生き残っている。首都グアテマラシティでは、人口10万人当たりに108件の殺人事件(2008年現在)が発生している。これは、南米最大の暴力組織の巣窟として有名なブラジル・リオデジャネイロ(10万人当たり37件)の約3倍に達する。韓国人はこうした国に住みつき、工場を建て、服を売り、食堂を営んでいる。韓人会館を設ける前に子どもたちの学校を建て、グアテマラの人たちのために孤児院も建設した。

 「金に目がない」と現地の人々の視線は厳しい一方で、韓国人がいなければグアテマラの経済は崩壊する。1万人の韓国人が、人口1300万人のグアテマラの輸出の10%を担っているためだ。韓国大使館の関係者は、「グアテマラには米国や中国、日本から来た人々も住んでいるが、数百人に過ぎず、しかもそのほとんどは耐えきれずに去っていく。バイタリティーのある韓国人だけが耐えられる国」と話す。

殺害された友人の写真を見て再起を決心

 グアテマラシティで縫製会社「OKモダス」を営むキム・ムンジュ社長(52)は5日(現地時間)、「これまでに2度失敗し、これが3度目の挑戦」と言って笑った。

 そして1枚の写真を見せ、「昨年2月に殺害された友人だ。異国の地に来て知り合った数少ない友人の一人だった…。可哀そう過ぎて、1週間ずっと泣いてばかりいた」と話した。その友人とキム社長はゴルフ仲間だったという。

 裁断会社を興したキム社長は、縫製業界に30年以上携わってきた。キム社長は「1992年にグアテマラに工場長として赴任、97年に独立して縫製会社を興し、工場を建てた」と話した。

 1度失敗し、2000年には、(写真の)友人と共同で2度目の事業を始めた。「二人とも完全に失敗した。家の電気代も払えないくらいだった。友人が成し遂げられなかった夢をわたしがかなえたい」

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る