東ア選手権:中国戦での大敗、胸に刻みつけるべき
ヒディンクの教訓を思い出せ
韓国、中国、日本は微妙な関係にある。複雑に絡み合う協力と対立の関係が、もう2000年以上も続いている。サッカーは戦争といわれることがあるが、もう少し明確に言うなら、サッカーはスポーツでありながら、政治や国家対決でもある。
今月10日、東京で行われた東アジア選手権大会で、韓国が中国に0-3で敗れた。韓国のサッカー関係者は「来るべきときが来た」と鎮痛な表情を浮かべた一方、中国のサッカー関係者は「夢かまことか」と晴れやかな表情だ。一方、日本のサッカー関係者も、この「対岸の火事」に関心を示しているようだ。
韓国サッカーは20年前から、日本サッカーの挑戦を受けてきた。日本は、1990年代初めのJリーグ発足で急速にレベルを上げ、韓国に追い付いてきた。韓国は実力で常に上回っていたが、もはやその差は「紙一重」にもならない。また、中国は32年ぶりに韓国を破った。この1度の勝利で、過去27回の韓中対決の記録(韓国の16勝11分け)が消えるわけではないが、現在の韓国と中国の雰囲気は、非常に激高している。今回の勝負が、まるでイエスの誕生を境に紀元前と紀元後に分かれるように、両国のサッカーの力が逆転する始発点のようにとらえられているのだ。
ここで見過ごせない人物が一人いる。元韓国代表監督のフース・ヒディンク氏だ。9年前、ヒディンク監督はいつも負けていた。チェコとフランスに0-5で破れ、「オ・デヨン(5対0を表す韓国語)」という不名誉なあだ名まで付けられた。当時の相手は欧州の強豪で、今回の相手はアジアの格下チーム中国だったが、状況が違い過ぎて、比較できないのではないだろうか。そんなことはない。
教訓には、強い、弱いはない。受け取る側にカギがある。深刻に受け取れば、人生が変わるほどの格言になるし、その反対なら、日常の一コマとして、右から左に受け流しておしまいだ。ヒディンク監督が4強神話を成し遂げたとき、韓国のメディアやファンは、一斉に「あなたが正しかった」と過ちを認めた。
許丁茂(ホ・ジョンム)監督率いる韓国代表は今、難関にぶつかっている。選手だけでなく、コーチらスタッフ陣への衝撃も大きい。信じがたい現実を前に、ぼうぜん自失の状態だ。しかし、目的地はワールドカップ(W杯)南アフリカ大会だ。中国の実力は、W杯での対戦チームの半分にもならないが、その中国に負けたからと落胆する必要はない。1997年にマレーシアで開催された国際サッカー連盟(FIFA)ワールドユース選手権(20歳以下)で、韓国はブラジルに3-10の大敗を喫した。しかし2年後の国際Aマッチで、韓国は金度勲(キム・ドフン)の決勝ゴールでブラジルを1-0で破った。このように、何が起きるか分からないのが勝負の世界だ。
日本のメディアは11日、一斉に韓国完敗のニュースを詳しく報じた。「韓国に衝撃」「韓国完敗」「許丁茂監督、更迭の危機」など、刺激的な見出しが躍った。岡田ジャパンの無得点試合に嫌気がさしていた日本としては、少なくとも「半ランク上」と心の中で認めていた韓国の沈没に、まんざらでもない様子だ。10日の試合後、中国代表の高洪波監督の記者会見で盛大な拍手を送っていたのも、日本の取材陣だった。
このすべてのことを、W杯南アフリカ大会で返上すればよい。巡航中に荒波にぶつかった船長はうまくかじを取り、船員は整然と動かなければならない。もう、いかりは揚げた。寄り道はしない。遠いゴールに向かって、やるべきことをやるだけだ。
パク・ジェホ記者
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