救急車に道を譲らない韓国のドライバー(中)

 「飛んでいくこともできないし、救急車の邪魔をする車が恨めしい」

 患者宅に到着したイ消防校はため息をついた。先進国では消防車が出動すると、周辺車両が路肩に寄って道を譲るのが当たり前だが、韓国ではまだ、そういう美徳を持つ車を見ることは難しい。

 消防防災庁によると、昨年救急車の出動から現場に到着するまでに要した時間は全国平均で8分18秒だった。地域別では大田市の5分26秒が最も早く、慶尚北道では11分12秒もかかった。韓国では法律や規則で救急車の到着時間は定められていない。しかし、消防戦術論などによると、心肺停止、気道閉鎖などの救急患者や一般住宅火災の現場に到着する時間が4-5分を超えると、救助対象者は回復不可能な状態になるという。

「家族が救急車に乗っている」という気持ちで

 本紙が消防防災庁と共同で全国1366人の消防官を対象に行ったアンケート調査によると、救急・救助出動時に最も困難な点としては、▲中央分離帯のために車両移動が困難(311人、22.8%)▲狭い路地(291人、21.3%)▲道を譲らないドライバーのマナーの悪さ(274人、20.1%)-という意見が上位に挙げられた。出動時に一般車両がどれだけ道を譲るかという質問では、「ほとんど譲ってくれない」「どちらかと言えば譲ってくれない」と否定的な回答が全体の64%(875人)に達した。

 一日のうちで車両が最も道を譲らない時間帯としては、帰宅時間帯(午後5-8時)が42.0%(574人)で最も多く、次に出勤時間帯(午前8-10時)の20.1%(275人)だった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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