「韓国でも早期地震警報システムの整備を」

韓国地質資源研究院のイ・ヒイル地震研究センター長

 「ソウル・首都圏で再び強い地震が発生する可能性は排除できない」

 今月9日午後、京畿道始興市で、韓国が地震の観測を開始(1978年)して以降では最も大きな地震(マグニチュード〈M〉3.0)が発生した。これについて、韓国地質資源研究院のイ・ヒイル地震研究センター長(54)は、「今回の地震は日常的に発生し得る地震の一つだが、沖合や山林ではなく、人口が密集した首都圏で、これだけの規模の地震が発生したのは極めて異例だ」と語った。

 イ氏は、「1988年以前に建てられた6階建て以下の建物や、2006年以前に建てられた3階建て以下の建物の大部分は、耐震設計基準が適用される前に建てられたため、地震に弱い構造となっている」と指摘した。

 1978年以降、韓半島(朝鮮半島)の内陸部で発生した最大の地震は、80年1月に北朝鮮の平安北道義州郡・朔州郡などで発生したM5.3の地震だ。またそれ以前には、52年3月19日に平壌の西側で発生した「江西地震」(旧ソ連の観測結果によるとM6.3)のように、かつて韓半島でもM6以上の地震が発生したことがある。

 地震は日本列島など、プレート(地殻を構成する巨大な岩盤)の境界付近で多く発生する。だが、2008年に中国・四川省で発生し、約7万人の犠牲者を出した大地震は、韓国と同じプレート内部で発生した。

 イ・ヒイル氏は「韓国は四川省などとは違い、大地震を誘発する活断層がまだ発見されておらず、地質学的に見れば安全な地域であることは明らかだ。そのため必要以上に不安感を抱くことはない」と話している。だが、「現在約100カ所にすぎない地震観測所を増設し、日本のように、最初の地震波(P波)が発生してから5秒以内に地震警報を発するシステムを整備する必要がある」と指摘した。

パク・シヨン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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