南大門火災:匠たちの伝統技法で復元へ
伝統技法で昔の味わいを再現
囲いを外し、復元過程を公開することを求める声も
「伝統技法でよみがえる崇礼門(南大門)」。9日午後、ソウル・景福宮内にある国立古宮博物館講堂で開かれた「伝統技法を使用した崇礼門復元のための特別セミナー」で、復元工事を担当する職人らが「伝統的な道具と技法を活用し、国宝第1号の崇礼門をよみがえらせたい」と意気込みを語った。
■復元は伝統技法で
この日のセミナーでは、復元工事の総責任者に選ばれた、重要無形文化財第74号の大工である申鷹秀(シン・ウンス)棟梁(とうりょう)をはじめ、石工、丹青(宮殿や寺院などの彩色)、瓦づくり、瓦敷きなど各分野の匠(たくみ)たちが、復元の方法や計画を発表した。 申鷹秀さんは「重ねたりつなげたりして使えるものは、構造的に問題がない限り、原則として元の部材を最大限使用する。火災で炭化した部材や一部破損した部材も、できる限り再利用したい」と語った。重要無形文化財第120号の石工、イ・ジェスンさんは「鉄づちや大づち、くさびなど伝統工具を用い、昔の味わいをそのまま復元するのが最も大切」と語った。重要無形文化財第48号の丹青絵師、ホン・チャンウォンさんは「19世紀後半から1988年まで、崇礼門には時期別に6種類の異なる丹青模様があることが分かった。どの時代の模様で復元するかが決まれば、できる限り天然の顔料と伝統工具を用いて施工する」と説明した。
- 写真提供=文化財庁
■危機を伝統技法復活の機会に
この日のセミナーの出席者らは、「崇礼門の火災は残念なことだが、今回の復元工事を、消えゆく伝統技術を復興させる機会として活用しなければ」と口をそろえた。牧園大学(大田市)の李王基(イ・ワンギ)教授は、「日帝時代を経て歪曲(わいきょく)された伝統木造建築技術を、この工事をきっかけに再現するためには、復元工事の全工程を正確かつ詳細に記録し、多くの専門家を工事に参加させ、文化財の“匠”を多数確保しておくべき」と主張した。
文化運動団体「文化連帯」のファン・ピョンス文化遺産委員長は「文化財補修工事に市民オンブズマン制度を導入し、崇礼門の復元工事から適用を」と呼び掛けた。地域ごとにいる文化財管理者や文化遺産解説士などを活用し、各種の工事、試験、入札の際に市民監視団として管理・監督を行おうというものだ。同委員長はまた「崇礼門復元現場を囲いで覆わず全面的に公開し、教育現場として活用するなど、文化財についての国民の関心を高めていくべき」と強調した。
パネリストとして参加した韓国芸術総合学校の金奉烈(キム・ボンリョル)教授が、「太祖の時代に創建され、何度も改築・補修が行われてきた崇礼門を、どの時点を基準に復元するかが最も重要な問題」と指摘すると、文化財庁修理技術課のチェ・ジョントク課長は「基本的には火災直前の状態である、1960年代の修理後の状態を目指すが、分野別に文献資料の検討や諮問会議を行い、詳細を決める計画」と答えた。
ホ・ユンヒ記者
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