没落する朝鮮総連、韓国国籍の取得者が急増

組織基盤が崩壊の一途

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のヤン・スジョン副議長(73)は、北朝鮮の最高人民会議(国会に相当)の代議員や、朝鮮総連系の商工業者の組織である「在日朝鮮商工人会」の顧問を務めている。済州道出身のヤン氏は、東京の赤坂・上野などでパチンコ店や焼き肉店を数カ所経営し、また都心にホテルなどの不動産を数多く所有している資産家だ。朝鮮総連系列の商工業者の中では最も成功した人物の一人で、現在も朝鮮総連のために、相当額の資金を援助していることで知られている。

 ヤン氏の孫のAさん(19)は今春、延世大に留学する。朝鮮総連系の東京朝鮮中高級学校(中学校・高校に相当)を卒業するAさんは、延世大が昨年から実施している、朝鮮学校(朝鮮総連系)の卒業予定者を対象とした特別入試に合格した。今春に延世大へ進学する朝鮮学校出身者は、Aさんを含め4人いる。なお、同大には昨年も、3人の朝鮮学校出身者が入学した。

 朝鮮学校の卒業生が、国籍を(事実上の北朝鮮国籍である)朝鮮籍から韓国国籍に変更した上で、韓国の大学に進学するケースはこれまでにもあった。だが、韓国の大学が特別入試を実施し、朝鮮学校の卒業生を受け入れたのは、延世大が初めてだ。

 朝鮮総連の高級幹部のB氏は現在も、北朝鮮の政権に正統性がある、と信じる活動家の一人で、朝鮮総連からの奨学金を得て、朝鮮大学校(大学に相当する朝鮮総連系学校)を卒業した。だが、B氏の娘は数年前、韓国人男性と結婚し、現在はソウルで暮らしている。B氏の妻は、出産を控えた娘の世話をするため、日本と韓国を行き来しているが、韓国のビザがないため、渡航の度に「旅行証明書」の発行を申請しなければならなかった。これに不便を感じたB氏の妻は、今月2日に韓国国籍を取得した。

 日本国内で北朝鮮を支持する活動の拠点となり、また事実上の北朝鮮領事館の役割を果たしている朝鮮総連の組織基盤が、音を立てずに崩壊している。韓国の民主化や経済発展を目の当たりにし、北朝鮮の時代錯誤的な体制を自覚する人たちが急速に増えていることに加え、韓国国籍を持たない人が日本で生活するのが次第に難しくなっていることも背景にある。

 在日韓国・朝鮮人は、1947年の外国人登録令の施行で「外国人(朝鮮籍)」として分類され、65年の韓日国交正常化により、韓国国籍を取得する人が増え始めた。90年代以降には韓国国籍の取得者が急激に増えた一方で、90年代末には10万人を超えていた朝鮮籍の保有者は、毎年減少の一途をたどり、現在は3-4万人程度と推定されている。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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